53才になりました。諦めきれない理想を追い求めたいです。
2024/7/4 09:02
「中原さん、なんで双子を産んじゃったんだろう」
この言葉は、いまでも忘れられません。目の前の彼女は泣きじゃくりながら、絞り出すように出てきた言葉でした。
その頃、我が家の双子はまだ年中さんくらいでお世話も忙しく、家庭内での役割はわたしひとりにのしかかり、大学の勉強とふたごじてんしゃをカタチにするための活動もあって、正直とてもしんどい時期でした。とても余裕があるとはいいがたい状況でしたが、彼女の話しを聞くことはできました。
だけど、ただそれしかできませんでした。
わたしが全てを投げ出し助けにいく事が出来るわけもなく、ただやりきれない気持ちだけが残りました。「結局聞いてるだけやん。そんなことに一体なんの意味あるんやろう。」って自分の不甲斐なさを感じました。
その言葉を降ろしてもいい場所がひろければ広いほど、安心できるんだと思います。
あの出来事から、ちょうど10年が経ちました。
10年の間に「NPO法人つなげる」が誕生し、ママやパパとなった人が自分の心のうちを伝えられる場所がいくつかできました。その場所では、多くの仲間の共感があり、「このように思ってしまうのは私だけではなかったんだ」と知ることができます。
そうやって、あるがままの感情を受け止めてもらえた人たちは、また立ち上がり歩き出しているように思います。だから、今のわたしは「ただ聞くだけ」の力を疑うこともないですし、あるがままの言葉を降ろすことがいかに大切かということを知っています。
そして、その言葉を降ろしてもいい場所がひろければ広いほど、安心できるんだと思います。
10年前のあのママは、思うことさえも憚られるその言葉をひっそりと、わたしとの間へ置くことしかできませんでした。そう思ってしまう自分を罰しているようにみえました。でもいまは、少しだけ本音にちかい言葉を、ためらいながらも公の場所で語ることができるようになり、「同じ気持ちの人がいるんですね!がんばります!」と少し嬉しそうなコメントを目にすることができるようになりました。わたしは、そのような場所がうまれ、維持しつづけられていることが嬉しくてなりません。
諦めきれない理想を追い求めたいです。
多胎育児支援が社会にとって一体なににつながるのかと問われれば、
ただ子どもを生み育てようとしているだけなのに、突然マイノリティとなり、戸惑いや苦労をした人たちは、人の困りごとにとても敏感になります。その辛い時期に人のあたたかさに触れる機会があった人は、トンネルを抜けたあとは次は誰かのために恩返しができたらと、多胎支援に限らずあらゆる分野で「よき手助けをする人」となられます。それが社会にとっての大きな宝です。
と伝えたい。
つなげるの活動は、おもにオンライン上の居場所づくりです。
メンバー同士がよりよい関係性を築きながらコミュニケーションをとるのは、対面以上に苦労がおおいです。それでも、ピアサポメンバーのママパパたちは、相手をおもいやり関わり続けてくれています。この場所が維持できるようにと、様々な工夫をしながら関わり続けてくれています。
この活動を機械的にすすめるのではなく、血の通った人間らしい場所としていくために、運営にはコストがかかります。
双子や三つ子など多胎児を授かったときに、ちょっと重くなった荷物をひろい場所でおろせるよう、この活動へのご寄付での応援をどうぞよろしくお願いします。
53才になりました。諦めきれない理想を追い求めたいです。
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【三つ子・双子のママ・パパ・本人さん限定】3525円支援のお礼
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