犬猫保護活動の舞台裏(はじめに)
2024/3/13 19:49
この活動報告では、前編・後編に分けて、動物たちの命ファーストで、不幸な命を増やさないために活動する上での現状を発信し、より多くの方に私たちと共に動物達の命を守り、みんなが幸せになれる未来を築いていきたいと感じていただくために、まずは「知ること」からはじめていただければと思っております。
まずはじめに、私たちは、犬猫たちの保護活動及び里親募集と譲渡、一部TNR*を中心に活動しています。
活動期間も5年目に突入し、少しずつではありますが、より多くの方々から団体の存在を認知されるようになってまいりました。
しかしながら、皮肉なことに認知度が上がることで保護依頼の件数も飛躍的に増えて参りました。
保護依頼の件数増加に伴い、保護活動における人員・保護場所・費用等の不足が顕著になり、常に問題は山積み状態です。
5年目の現在、開始当時38頭だった猫たちはその3倍強の118頭に至っており、その分日々の世話にかかる時間、食事や消耗品などにかかる費用、保護時に必須となる初期検査医療費、突発に起きる病気等の治療費など、あらゆる費用が増加の一途を辿っています。
そのため、これまでのように少数メンバーによる持ち寄りメインでの活動を維持することが困難になりつつあります。
このまま保護依頼が増え続ければ、私たちの活動自体が存続の危機にもなりかねない状況と言えます。
おそらくは、このような記事をご覧になった方の中には、「それならば、人に頼るのではなく、自分たちの身の丈に合った保護活動をすればよい」と仰る方もおられるかと思いますが、現実問題として、保護されるべき動物たちの数や、保護して欲しいと依頼される数に比べ、実際に保護をする個人や団体の数、受け入れ出来る数が少なすぎると言わざるを得ない現状に関してはどう思われるのでしょうか?
保護をして欲しいと望まれる方々の中で、自分たちでは飼うことが出来ないからと、私たちのような団体や個人の活動家さんにお願いする分、費用を負担しようと考えてくださる方の割合はとても低いのが現状で、「受け入れてもらえないなら保健所(おそらくは動物愛護指導センターのこと)に連れていく」とか、「元居た場所に戻してくる」などと仰られる方はとても多いのです。中には、なんで見つけただけで費用払わないとならないの?と、怒り出す方もいらっしゃるくらいです。
生まれて間もない子猫は、多くの場合母猫が近くにいることが多く、たまたま母猫が授乳の合間にその場を離れた時に子猫を見つけてしまい、そのまま捕まえて段ボールなどに入れて連れてこられてしまうパターンがとても多いのですが、野良猫の場合、人間が素手で触ってしまってにおいをつけてしまうと、たとえ元に戻されても警戒して務育児放棄をしてしまうことが多いのです。育児放棄をされた子猫たちは、2~3時間のうちに授乳させないと、低血糖になり亡くなる可能性が高くなります。おそらくはそれを知らずに元に戻すと仰られるのでしょうが、私たちからすれば、それはある種の脅しでしかないのです。
目の前にとても頼りなく小さな命があり、断ればその命は尽きると分かっていて、放置など出来ましょうか?
確かに身の丈を考えない保護活動と非難されても仕方ないのでしょうが、私たちは、自分が食べるための費用を減らしてでも、その小さな命を守りたいと考えてしまいます。だからこそ、自分たちの力のなさを露見し、恥をかいてでも、何とか助ける方法を模索し、皆様のお力を借りてでも、1頭でも多く保護したいと考えるのです。
間違っていると非難される方も多いかもしれませんが、賛同下さる方も必ず多くいらっしゃると信じて、私たちは日々活動しています。
そして、ご賛同いただける皆様と共に、これからの保護活動を頑張りたいと強く願っています。
* TNRとは、猫を安全に捕獲するTrap(トラップ)の「T」 、新たな子猫を生まないように不妊手術させるNeuter(ニューター)の「N」、猫を元いた場所に戻すReturn(リターン)の「R」の3つの頭文字からできた言葉です。
次回は、保護した犬・猫たちにより良い未来を届けるためには欠かせない、医療活動(不妊去勢手術、初期検査医療)についてご紹介いたします!
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