【応援メッセージ】"伊勢からのお手紙"ほしかぜメンバー、そして保護者の皆様、ほしかぜを応援してくれている方々へ
2024/9/18 09:00
主宰KAEDEの夫である伊勢です。
本番まで一週間をきったいま、私から皆さんに伝えたいことがあって筆をとりました。
少々長くはなりますが、ご一読いただけたらうれしいです。
KAEDEがほしかぜを結成してから6年の歳月が経ちました。
小学生でいうならば、小学校時代が丸っと過ぎた計算になります。
今年の座長である「ひま」と「うぱ」はまさしく〝ソレ〟を経験してきたふたりで、結成時こそ入会していませんでしたが、旗揚げ公演となった「竹取物語」(2019年)のときに前説をつとめ、その後、入会、ほしかぜの成長と共に小学校生活をおくってきたのです。
第2回本公演「ゴーゴー☆ツッパリトラベラー」(2020年)、第3回本公演「異世界ア・ラ・モード」(2022年)と、大舞台に共に立ち、そしていま、さらに注目が集まる第4回目の本公演に挑もうとしてるふたりの経験値は、私たちが想像できないほどに大きなものになっていると思います。
ほしかぜも彼女たちと同じように成長を続け、いまでは40人を超える団体となりました。
よもや、ここまで大きな組織になるとは、正直、私だけでなくKAEDEも思っていなかったでしょう。
そう、そもそもほしかぜは、「KAEDEが楽しいと思うことを我が子たちと一緒にやりたい!」という、極私的な感情から始まりました。最初に声をかけたのは、長女の幼稚園時代に付き合いのあった親子や、小学校の友達などで、ほぼほぼ身内に近いような、サークル活動に近い形でのスタートだったのです。
始めたばかりのころ、私自身は特にほしかぜを手伝うことはなく、ときどき現場に行って活動の様子を眺めているだけでした。
それが変わったのは、旗揚げ公演「竹取物語」のとき。
しかも、旗揚げ公演をやると聞いてからも、正直、「学芸会にちょっと毛が生えた程度」くらいの期待値しかもっていなかったのですが(笑)、台本を読み、演出を聞き、稽古の様子を見ていると、その認識が急激に変化していきました(※とくに、なるちゃんのシルエットダンスシーンを見たときの衝撃たるや)。
「これ、小学生たちだけでできたらとんでもないな!」
そしたら、ほんとにできちゃったんです。
さらに、舞台をつくるひとたちも最前線で活躍するプロフェッショナルを集結させるという、これもKAEDEでなければできないことをやってのけました。
私は「竹取物語」の時はメイキング映像のみの役割でしたが、だからこそ、旗揚げ公演を傍観することができた気がしています。当時、とてつもなく冷静で客観的な視点をもってしても、「これをやり続けたらなかなかすごいことになるのではないか?」と感じたのです。
そこから、私のほしかぜとのかかわり方が変わっていきます。
気がつけばKAEDEから飛び出るアイデアをワクワクしながら待っている自分がいましたし、気がつけばほしかぜメンバーの中に推しができたりもしましたし、気がつけば自らカメラをもって撮影したり広報活動を手伝うようになりましたし、気がつけば子どもたちや保護者の方々に対して家族のような感情を抱くようになっていたのです。
この6年の間にはいろいろなことがありました。
組織というものは生き物でもあります。
だからこそ、この6年、すべてが良いことばかりだったわけではありませんし、トラブルだってたくさんありました。
ただ少なくとも、ほしかぜが経験してきたすべてのことが、今のほしかぜを形作ってきたことは確かであり、無駄なんてひとつもなかったと思っています(※人生においてもそうね)。
子どもたちのもつ無限の可能性を知ることができました。
保護者の方々の無償の愛を感じることができました。
こんなにも子どもたちのために一生懸命になれる、新たな自分自身にも出会えました。
そして、4回目となる本公演が迫りに迫っているいま、心の底から感動していることがあります。
それが、子どもたちの成長です。
冒頭でも書きましたが、「竹取物語」の際、たどたどしい調子で前説をしていた「ひま」と「うぱ」の成長をみてください。
彼女たちふたりは、最初はそこまで仲が良かったわけではありません。
いや、今でも仲良しな友達なのかといわれると、そうではなさそう?(笑)、友達というよりは、同じ志をもつ者、同志、仲間、下手したらビジネスパートナー?(笑)、的な関係なんだと思います。
そして、そんなふたりが、本公演の稽古が進むにつれて、どんどんリーダーシップを開花させていき、西新井文化ホールでのリハを経てからは、メンバーたちを集めて、KAEDEの代わりに舞台での礼儀作法について諭したのです。
5年前のダブル座長の姿が!「ひまうぱ成長物語」第4回本公演「ゾンビ・ザ・デベロップ〜魔法少女都市」舞台裏ムービー【本番直前スペシャルドキュメント】
自分たちから率先して行動したふたりの姿を映像で見たとき、もうどうしようもないくらいに涙腺がゆるみました。
これまでのほしかぜは、ある意味、身内に近い人たちが多くを占めていました。
ですが、会員数が40人を超えた現在、それこそさまざまな性格の子どもたちが集まってきているので、事件が起きたり、仲良しチームができたりするのは仕方がありません。
「組織がまとまれるのは30人まで」とよくいわれますが、とっくにその数は超えているわけですし、そこに保護者の方たちも含めたらもはや100人以上の規模感になっているのです。
しかも、ほしかぜは表現活動をする団体なわけなので、年々クセが強くなっていく(笑)のは、当然といえば当然です。
さすがのKAEDEも今回は相当に苦労をしているのが、傍からみていてもわかりました。
だからこそ、「ずいぶんととんでもないことになってるな(苦笑)」と感じた今年の現場を、KAEDEひとりで切り盛りするのはなかなかどうしてハードルが高く、そんな〝ミッションインポッシブル〟なことになりつつあった状況をみて、何も言わずに行動したのが「ひま」と「うぱ」だったのです。
「ちゃんと見てきたんだな」
そう、つまり、KAEDEが6年かけて手探りで続けてきた子どもたちとの向き合い方、子どもたちに伝えたいこと、そういうものを6年間一緒に見続けてきたのが今年の座長たちで、その想いがふたりの中にしっかりと落とし込まれているのだということを、血と肉になっているのだということを、まざまざと感じさせられたのです。
そして、彼女たちが一生懸命にメンバーに伝えようとした声に、メンバーたちも必死で耳を傾け、受け止め、咀嚼しようとしていました。
とはいえ、もちろん、まだまだ受け止められていない子もいるとは思いますが(※個人差があって当然)、それでも、あの場がつくられたことで、今年のほしかぜはさらに一段高みへとあがったと確信しています。
主宰のKAEDEではなく、座長ふたりがほしかぜの空気を変えたんだよ?
こんなにもうれしいことってありますか?
こんなにも泣けることってありますか?
正直、どんなに感動的な映画や小説や漫画とも、くらべものにならないくらいの感動を、今回の稽古の日々で味わせてもらっています。ほんとうにありがとう。
それだけでなく、いま、現場にはほしかぜを卒業したメンバーたちも手伝いにきてくれてたり、出演してくれてたりしています。
そんなレジェンド中学生たちも、現座長に負けず劣らず、自分たちだけで劇団を立ち上げるなど、どんどん活動の場を広げていっています。
彼、彼女たちがこれから高校生、大学生、社会人となっていく姿を見守るのも楽しいことですし、なにより、ほしかぜから旅立った子どもたちがそれぞれ成長を遂げて、いつか再びほしかぜに何かを還元してくれる日がくるかもしれないと思うと、もう「やめられないとめられない」喜びを見つけてしまったと言わざるを得ないでしょう。
誰かのつくった物語ではなく、ほしかぜみんなでつくった物語を、みんなで味わい感動することができるんだよ?
これって、めちゃくちゃ幸せなことだと思いませんか?
しかも、こういう大舞台を一緒につくった仲間、家族が、これからもどんどん増えていくんだよ?
こりゃ、もうずーっと続けていくしかなくないっすか?(笑)
そんな最高の物語をたくさんの人たちに楽しんでもらえるように、本番までの残りの時間を大切に過ごしていきたいですね。
ということで、あいもかわらず伊勢のボヤきは長くなるのですが、最後にもう一言だけ……。
ここまできたらあとはもう体調管理です。
子どもたちはもちろんのこと、一緒につくりあげてきた保護者の方、大舞台をつくりあげてくれるスタッフ陣、当日本公演を楽しみにしてくれている方、全員で、とにかく全員で西新井文化ホールの舞台へとたどり着きましょう!
9月21日、このメンバーでつくる一回限りの本公演を。
夢のような一日を。
ずーっと見ていたい夢の世界を。
幕はもうすぐあがります。
伊勢
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