~刑務所から世界へ~物販事業(Pietà)
2023/12/12 14:23
本日は物販事業の紹介です!!
物販事業は寄付から活動費を捻出しているわけではないですが、コンフロントワールドの活動の一つでもあるので、ぜひご覧ください!!
コンフロントワールドは、私たちはペルーの刑務所発ファッションブランド《Pietà(ピエタ)》と販売委託契約を結び、Pietàの素晴らしい企業理念とストーリー、質の高い商品を日本でもっと広めるため、Tシャツやパーカーなどの商品を販売しています。
今回は、《Pietà(ピエタ)》の概要をご紹介させていただきます!
刑務所発ファッションブランドとは
刑務所発ファッションブランド《Pietà》は2012年にペルーの首都リマで立ち上げられました。
創業者のフランス人ファッションデザイナーThomas Jacob氏が友人の紹介でリマの刑務所を訪れた際に、囚人たちの「何かしたい」「働きたい」という声を聞いたことから、Pietàのストーリーは始まりました。
彼は「完成した”服”そのものではなく、それまでの”過程”で、今までになかったようなオリジナルの物語を紡ぎだせるのではないか」と考え、刑務所に洋裁の作業場を設置する許可を求め、囚人たちとともにファッションブランドを立ち上げました。これがPietàの原点です。
最初に制作したサンプル品は完成度が低く、とても販売できるレベルではありませんでした。しかし、彼らは地道にサンプル品を作り続ける努力を重ね、約2年もの歳月をかけて最初のコレクションを世に発表するところまで漕ぎつけました。
そして、彼らの社会的かつ革新的なこの活動はペルー国内のみならずアメリカ、イギリス、スペインでも報道され、多くの注目を集めました。
「刑務所発ファッションブランド」というジャンルのパイオニアとなったPietàはその後順調に規模を拡大し、活動に参加する刑務所が増え、製造に携わった囚人は累計500名以上に達しました。
現在でも刑務所内で全ての製造行程が完結されることにこだわりながら、ペルーの首都リマにある3か所の刑務所内の工房で、囚人たちの手によって一つ一つ丁寧にPietàの商品は製造されています。そして、リマ市内に6店舗を展開するとともに、全世界に向けてオンライン販売でその魅力を発信しています。
南アメリカ大陸の形をしたPietàの商品タグ。
裏面の黄色マーカーで示された部分を見るとどこの刑務所内で製造された商品であるかがわかります。
この商品はリマ州ルリガンチョ地区のサン・ペドロ刑務所からはるばる日本にやってきました。
Pietàは刑務所の囚人たちを安価な労働者ではなく1人の職人として捉えています。新しくPietàに参加した囚人は、始めはすでに働いている職人のお手伝いとして働き始め、ミシン、プリント、裁縫などの技術を身に着けることで少しずつ職人として成長していきます。
そして、Pietàは商品の販売で得た利益を元に彼らに適正な対価を支払っています。日本の刑務作業とは異なり、Pietàの労働条件は一般的なペルーの労働法で要求されているものを超えています。つまり、彼らはPietàの製造に従事することで刑務所の中にいながら塀の外で働く場合に近い水準の賃金を得ることができているのです。
日本と比較してペルーでは若いうちから子どもを持つ家庭が多くあるため、家族の柱である父親が刑務所に入ってしまったことで収入が途絶え、食費、家賃、子どもの教育費が残された家族にとって大きな負担になってしまうという課題があります。Pietàは彼らに刑務所の中にいながら十分な賃金を得る機会を提供することで、この課題に大きく貢献しています。家族を持つ男性の多くは刑務所に入ってしまったことで家族に負担をかけてしまったことを悔いながらも、父親としてのプライドをしっかりと持ち、Pietàの製造で得た給料を家族に送金しています。また、それは彼らにとって刑務所の中にいても家族の役に立つことができるという自尊心を保ち、家族との関係を維持することにも繋がっています。
また、Pietàは彼らが出所後により多くの雇用へアクセスする機会を提供することでも貢献しています。Thomas氏は彼らがどの役割、場面でもっと成長できるか、どんな能力を伸ばせるか、何をするのが得意なのかを観察し、それらを考慮して仕事を割り振ることを常に心掛けています。Pietàの製造で彼らが得るミシン、プリント、裁縫などの技術は、刑期を終えた彼らが新しい職を探し、社会に再統合するための大きな後押しとなっています。
このようにPietàは彼らに「社会と繋がれるチャンス」と「社会に戻るチャンス」とを提供し、出所後の彼らとその家族が貧困、排除、そして犯罪の悪循環に陥らないようにするためのセーフティーネットの役割を担っています。
Pietàに参加することは、彼らにとって人生の再出発の準備をする機会なのです。
Pietàに携わる職人たち。中央後方の白いTシャツの人物が創業者のThomas Jacob氏
Pietàのブランド名は芸術の歴史に名を刻むミケランジェロの傑作「ピエタ」に由来しています。
つまり、Pietàとは再生を引き起こす復活前の最後の段階でもあります。
一度罪を犯してしまったPietàの"職人たち"が、刑務所から社会復帰を目指して再出発する過程にこそ価値がある。
そんな彼らだからこそ創り出せる世界観がある。彼らにしか作れないものがある。
私たちはこのようなPietàのブランド理念に共感し、世界中にその理念を広めるべく日本でPietàの販売を行っています。
定期的にポップアップストアなどで販売しております!ぜひ興味がある方はコンフロントワールドのSNSなどをチェックください!
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