2023年から新たに複製画展スタート 聖マリアンナ医科大学病院
2023/8/30 16:06
病院内でのいわさきちひろ複製画展をご支援くださっているみなさまに、心から感謝申し上げます。
2006年に長野県立子ども病院からスタートした、病院や医療施設内における、いわさきちひろ複製画展は、今年で18年目を迎えることができました。これもひとえに、ご支援くださるみなさま、そしてご協力くださる医療関係のみなさまのおかげと、心から感謝申し上げます。
この複製画展には、いくつか大切にしていることがあります。まず、展示する複製画についてです。最新のデジタル技術と、熟練した技術者による入念な補正、加えて耐光性のある微小インクドットによる精巧な印刷技術を駆使して、ちひろの繊細な水彩表現を1枚ずつ丁寧に、そして忠実に再現しています。原画を展示する場合は、劣化を避けるために、厳格な照度・温湿度管理を徹底する必要がありますが、複製画は開放的な空間や明るい光のもとでの展示が可能なため、大勢の利用者が行き交う病院内の通路やラウンジなどで鑑賞し、お楽しみいただくことができます。
また、ひとたび展示をしたらずっとそのまま・・・・・・ではなく、折を見て作品の入れ替えを行っているのも、大切にしていることのひとつです。季節やテーマ、そして医療施設のスタッフのみなさんのご希望に合わせながら、作品の掛け替えを継続して行っています。医療施設では生花を飾ることができないため、花の作品があることが嬉しい、というお声もよくいただきます。それぞれの施設の展示空間に合わせながら、毎回新たな作品構成を考えるのは大変ですが、展示替え作業中に、通りがかった患者さんから「新しい絵になるのね、楽しみ!」「この作品が好きなのよ」など、お声がかかると、苦労も吹き飛ぶ思いです。
今年は、新たに神奈川県にある聖マリアンナ医科大学病院での複製画展がスタートしました。
聖マリアンナ医科大学病院での飾り付けの様子
ここでは、今年新たに完成した入院棟のなかに、1月から「児童思春期ユニット」が開設され、発達的課題や心理的課題のある15歳までの子どもの心の問題に対応しています。また4月から「こどものこころセンター」も開設され、外来・入院・コンサルテーションを含めたトータルな子ども心のケアが円滑にできるようになってきています。
小野和哉センター長(左)とスタッフのみなさん
ちひろ作品は、小野和哉センター長よりいただいたリクエスト「子どもが自分の世界を楽しむようなテーマのちひろ作品を飾ることで、子どもの心を癒やすスペースとしたい」をベースに、スタッフのみなさんにリストの中から選んでいただきました。
いわさきちひろ「チューリップのなかの男の子」1966年
病院で過ごす子どもたちやそのご家族のみなさん、そして医療関係者の方々にお楽しみいただければと願っています。
(寄付担当:中平)
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