骨髄移植を待つシリア北部から逃れてきたハマッドくん
2023/8/24 16:51
2014年7月、シリアとトルコ国境にあるコバニ及びその周辺の町に過激派組織IS「イスラム国」が進撃を開始し、9月にはコバニ市街地にも侵攻、その後ISを迎え撃つための空爆も始まり町は大きく破壊されました。
トルコ政府はコバニからの逃れる人たちのために国境を開き、多くの人々はバスに乗ってコバニを離れました。
現在、ナナカリ病院で急性リンパ性白血病(ALL)の治療を受けるハマッドくんとその家族も、当時バスでコバニから逃れここアルビルに避難してきました。
家族も知り合いもいない中、ハマッドくんが白血病であると分かったのは2023年1月のことでした。
一ヶ月の入院を経て、現在も治療を続けるハマッドくんですが医師からは骨髄移植を受ける必要があると告げられています。
ハマッドは姉と白血球の型が適合し、クルド自治区で骨髄移植を受けることができる病院に行ったものの、受け入れてもらうことができませんでした。
理由は明確に伝えられなかったのですが、受け入れのキャパシティーがなかったのでは、とハマッドくんの父は話します。
家庭訪問の中で、ハマッドの母は
「通院費も親戚から借金して、必要な抗がん剤も
病院にないから自分たちで薬局で買って、骨髄移植も
まだ受け入れてもらえなくて、私たちは一体どうしたらいいの・・・
難民としてここに来て、私は誰を頼ったらいいのかさっぱりわからないわ」と泣き出しました。
JIM-NETでは、緊急支援としてハマッドの医薬品購入を支援し、心身ともに疲れて切っている家族に対しても丁寧にケアしていこうと話し合っています。家庭訪問の帰り際、ハマッドと姉は「来てくれてありがとう!」と笑顔を覗かせました。
病院ではいつも不機嫌で、泣いたり怒ったりするすることが多いハマッドですが、久しぶりの家で過ごす時間に表情が緩んでいました。
ハマッドのように難民としてイラクに逃れ、そこで治療を受けなければならない子どもたちは少なくありません。
早く骨髄移植が受けられますように!
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