昨年までSlow Food Nipponの事務局として色々な場を共にした熊倉聖子さんからメッセージをもらいました！

熊倉聖子さんからのメッセージ

スローフードに出会ったのは、2019年に北海道でひらかれた「先住民テッラマードレ　アジア・環太平洋 in アイヌモシﾘ」。アジア・太平洋地域の先住民の代表と食の専門家・２７カ国１５０人が集い、伝統的な食文化や環境問題などについて語り合う場づくりに参加しました。

生まれ育った北海道で、自然と共に生きてこられたアイヌの方々の食文化や歴史をあらためて学び直すとともに、世界中から持ち寄られた衝撃の味わい〜アルタイ山脈の山奥でつくられたチーズや木の実のお団子、済州島の濃厚な海藻に、ロシアの濃密な蜂蜜、琉球のふわふわの島豆腐・・そして音楽と踊りと歌、、出会いとつながりの喜びに溢れる場の力に心が震えました。

その後、国内では味の箱船の絵本シリーズ、神戸のWe Feed The Planet、スローフードアカデミーなどを通して、全国各地で地に足をつけて、その土地の風土と食を守り継ごうとする方々の真摯な眼差しと姿勢に心打たれてきました。

2022年には、地元・美瑛町の当時14歳で「農家の息子として、給食を残したくない！」とフードロスに取り組む本山維芯くんと共にイタリアの「テッラマードレ」に参加。世界のスローフーダーの前で、堂々と英語でスピーチをする姿に涙しつつ、これからの次世代・子どもたちに私たちは何ができるのかを考えさせられました。と同時に、世界中に同じ想いをもった仲間がいることにも勇気づけられました。

スローフードは、「おいしい」を真ん中にして、食卓やくらしの中で感じるちょっとした気づきから、生物多様性や気候変動など地球規模の課題まで、あらゆる世代・分野・地域や文化を越えて、楽しく・おいしく・深く・長く、考えて行動して励まし合える仲間に出会える場です。

スローフードの「おいしい」をぜひたくさんのひとたちに体感してもらいたいです！

熊倉聖子さんのプロフィール

美瑛町役場まちづくり推進課 地域プロジェクトマネージャー／場とつながりラボhome's vi ファシリテーター

1978 年札幌生まれ・函館・美瑛育ち。東京女子大学卒業後、芸術と社会をつなぐことを志し国際芸術祭の企画制作・公共劇場の立ち上げ等に従事。ダブルケア（育児と介護の両立）を機に、鎌倉・京都にて多世代の居場所づくり等に参画。

近年は、人と自然と組織のつながりを探究し、ティール組織・ホラクラシーの実践、食文化の継承事業等のファシリテーターとしても活動。2021 年より総務省地域プロジェクトマネージャーとして美瑛町に着任、関係人口創出事業に取り組む。3 児の母。