本瀬めぐみ
私たちはフィリピンで活動している「SAMABAKAMO(サマバカモ)」という障がいのある子どもの親の会を支援し、お母さんたちと一緒に子どもたちをサポートしています。
今回の挑戦は、SAMABAKAMOを中心とした地域の子どもたちへの「栄養改善プログラム」です。現在は月3回程度ですが、目標達成で月6回程度は実施したいと思います。
【キャンペーン詳細】
■目標金額:50万
■申込期間:6月1日(木)〜6月30日(金)
■寄付の使い道:フィリピンにて、SAMABAKAMO(サマバカモ)とともに定期的に食事を無料で提供し、家から出ることが難しい障がいのある子どもにはお弁当を配達します。
※余剰金が出た場合はCommunity Lifeの国内事業に活用させていただきます。
寄付は2000円、3000円、5000円、10000円、30000円の寄付ボタンの他に、「寄付して支援する」「寄付してメッセージを贈る」(スマートフォンの画面ではページ下部に配置されている場合もあります)から自由に金額を設定できます。
ストーリー
Community Lifeの始まり
私がまだ20代で、ボランティアとしてアフリカで教師をしていた頃、現地の友人宅で知的障がいのある娘さんに出会いました。友人は娘さんのためによりよい教育を受けさせたいと行政や色々な関係者と話し合っていました。一生懸命でした。私も分からないなりに協力してきましたが、できることは寄り添うことだけでした。この経験が今日の下地となり、帰国後は障がい福祉に従事しながらも、いずれはこの分野で国際協力活動をしたいと考えていました。そして故郷の愛媛県に戻り、NPO法人Community Lifeを立ち上げました。社会福祉と国際協力が相互作用できるような事業体を作りたいと思ったからです。
平成23年3月1日、障がいのある子どものデイサービス「フレンドリー」をオープンしました。初めて子どもが来た時は嬉しくて今でも覚えています。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、玄関先に立つ両親と、母親の腕の中に抱かれていた3歳の女の子。NPO法人Community Lifeの活動の始まりです。ローラー滑り台の公園までよちよち歩き、ぎこちなく鉛筆を握ってひらがなを書き、ビート版をぎゅっと胸に抱えてキャッキャッと泳ぎ、そして一人で帰ると言ってバスの練習を頑張った。一人一人と大切に関わり、あっという間に時が過ぎていきました。彼女の成長と共に私たちも歩んできました。
フィリピンでの活動の始まり
その間に、海外の障がいのある子どものことも気になりました。どのように暮らしているのだろう。フレンドリーでの経験を発展途上国でも生かしたいと思っていたころ、様々な縁と好運に恵まれてフィリピンに渡ることができ、現地の障がい児の実情を見つめてきました。
現地の障がいのある子ども・家族との出会い
ここはマニラ市郊外のロドリゲス市。トラックやバイクが忙しく行き交う表通りから静かな路地裏に入り、古い焦げ茶色の質素な板張り家屋がひしめきあう一角でダウン症の女の子に会いました。人懐っこく家族から愛され、学校のこと、家族のこと、将来のことなど会話は弾み楽しい時間を過ごしました。その後、2階でずっと暮らしている車いすの女性、家の中で横たわっているだけの男の子の家を訪問しました。障がいがあっても家族は明るく笑い、久しぶりの来客を楽しんでくれました。しかし私たちが帰った後に残るのはいつもの単調な日常であることは容易に想像できました。福祉制度は整っておらず、家族の支えの中で静かに暮らしています。
SAMABAKAMOとの出会い
2016年から約3年間、JICA草の根支援事業として障がいのある子どもと家族のサポートを本格的に始めました。CBR(Community Based Rehabilitation)という、地域へ積極的に出て障がい児をサポートしていくというアプローチで、家々に出向いて子どもたちと家族を支援してきました。訪問リハビリ等を現地の行政機関と一緒になって進め、現地の支援スタッフや障がい児の親を対象としたトレーニングも行いました。手探りで、試行錯誤を繰り返していた中、SAMABAKAMO(サマバカモ)という障がいのある子どもの家族の会が活発に活動していることを知り、会いに行きました。
SAMABAKAMOとは、タガログ語で「ay SAmahan ng mga MAgulang ng mga BAtang may KApansanan ng MOntalban」の略で「モンタルバン市(現ロドリゲス市)の障がいのある子どもの親の会」という意味です。素朴でどこまでも陽気なみんなに力強さを感じ、一緒に活動していきたいと思いました。日本の障がい福祉の向上に親の会の活動が大きく貢献してきたように、ここフィリピンにおいても彼女たちの存在に光を感じました。「この子らを世の光に」の言葉を思い出すくらい、障がいのある子どもたちは私たちを明るく迎えてくれました。
SAMABAKAMOとの活動と成果
SAMABAKAMOが活動する地域は山間にあり、予想以上に障がいのある子どもが多く暮らしていることがインターンの調査により分かりました。学校にも通えず、福祉サービスも乏しく、自宅で過ごすことが殆どで、なかなか顕在化してこなかったことが伺えます。
SAMABAKAMOとの協働活動は大きく2つあります。
①リハビリの方法を教える。
日本の理学療法士がSAMABAKAMOメンバーや家族にリハビリの方法を伝えていきました。約30回のセッションを行い、参加した家族は約10家族、SAMABAKAMOのリハビリ担当のメンバー3-4名で、実際の動きを見せるなど、分かりやすい工夫をしてきました。障がいのある子どもたちがリハビリを受けられる機会は殆どなく、みんな真剣に聞いてくれました。子どもたちにとってはリハビリと一緒にお母さんとスキンシップもとれる楽しい時間です。
②SAMABAKAMOの活動を支援する。
SAMABAKAMOの事務所は障がいのある子どもにとっては大切な居場所となっています。勉強をしたり、折り紙等の工作をしたり、また時には小さなイベントもしました。そしてもう一つ大切な活動はホームビジットです。自宅から出られない障がい児宅を訪問して状態の様子を見たり、必要ならばリハビリを提供します。7-8家族を定期的に訪問して、繋がりを保てるように、孤立しないように心掛け、楽しく明るくサポートしてきました。例外なく障がいのある子どもは私たちの訪問を喜んでくれました。子どもたちの生活に一種の彩も届けることができたのかもしれません。
プロジェクト終了後の2019年から松山市との協働事業の中で、松山市の福祉専門家とロドリゲス市の福祉医療関係者との技術交流を実施しました。松山市から2回合わせて3名の専門家(作業療法士や障がい者就労関連)が現地に赴き現地視察やワークショップを行い、そしてロドリゲス市からは3名の福祉関係者が来日して松山市の施設等を見学して、現地の障がい福祉の向上に貢献しました。
現在感じている課題(寄付を募集する理由)
新型コロナウイルスの広がりで活動は止まりました。フィリピンでは日本より厳しい行動制限が課され、しかも財政的支援は殆どなく、人々はただ災いが過ぎ去るのを待つのみでした。2021年には大型台風がロドリゲス市を直撃し甚大な被害に見舞われました。SAMABAKAMOの人達も大変苦労し、私たちは有志から寄付を集めて、食糧や資材を提供してきました。
翌2022年からは段階的に行動制限が緩和され少しずつ活動を開始しました。コロナ禍による失業とインフレ下での食糧高騰で、栄養不足の子どもたちが増えて来ています。まずはマニラ市のスラム街で地元行政と「栄養改善プログラム」を実施しました。たくさんの子ども達が受け取りにきて、また周りからの寄付も増え、無事に12月にプログラムを終えることができました。コロナ禍で大きく人々の暮らしは変わってきました。働き口はなく小さな店などは廃業し、コロナ前の日常に戻ってくるにはまだまだ時間が必要です。特に貧しい地域では顕著に表れています。
今回の取り組み
今回の挑戦は、SAMABAKAMOを中心とした地域の子どもたちへの「栄養改善プログラム」です。マニラ市のスラム街で得た経験を障がい児に届けたいと思います。やはりこの地域にも栄養不足の子どもが多く、また自宅から出られない障がい児もいます。定期的に食事を無料で提供し、家から出ることが難しい障がいのある子どもにはお弁当を配達します。
もう一つの目的として、「栄養改善プログラム」に障がいのある子どもたちや家族が中心となることです。障がいがあっても地域に貢献できるということを示すことで、地域の障がい児者や家族の理解が広がるいい機会になると思っています。毎日新聞大阪社会福祉事業団「世界子ども救援金」から助成を頂いておりますが、子どもたちには出来るだけ多くの機会を提供したいと思っています。目標達成により月6回程度は実施したいと思っています。
活動に対する想い~Community-FriendlyなNPOを目指して~
Friendlyという言葉が好きで、「フレンドリー」を運営しています。Friendlyには友好的という意味の他に、「やさしい」という意味も含まれています。User-friendly computer (ユーザーにやさしい:使いやすいコンピューター)、Environment-friendly Society(環境にやさしい社会)など。今、私たちは地域にやさしい、Community-FriendlyなNPOを目指しています。
国内でおいては、「フレンドリー」運営の他、月1回の子ども食堂、外国人のためのソーシャルワークサービス、国際理解教育活動としてオンライン交流や国際交流イベントの開催、そして今年度からは生きづらい若者が学び直すための「夜間教室」を始めます。
現在の地域社会には多様な人たちが暮らし、さらに個別化が進んでいます。一人でも生きていける環境・制度が整う一方、孤独・さみしさなどの精神的な不自由さが募る社会にもなっている気がします。地域が急速に多様化していくにもかかわらず、社会構造や慣習はなかなか変わらず、本流から外れてしまう人たちもまた多様化し、地域に点在して暮らしています。私たちがこのような多様な人たちへの支えであるためには、幅広い経験や知識が不可欠だと思っています。そしてSDGsのLeave no one behind「誰一人取り残さない」、その一人に必要な団体でありたいと思っています。
サポートファンディング
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