数あるクラウドファンディングの中から当ページをご覧いただきありがとうございます。「ホワイトハンドコーラスNIPPON沖縄」はベネズエラ発祥のEl Sistemaの理念を沖縄において実現する団体です。障害の有無を問わず小学生から高校生が参加できるインクルーシブなコーラスグループです。ホワイトハンドコーラスNIPPONとしては東京・京都に続く3つ目の拠点として2022年9月に沖縄チームが産声を上げました。2022年12月25日に沖縄市民会館で約600人の来場者を迎えて初公演を実施し、その後、子どもたちや保護者たちの熱い期待に応えるべく2023年1月以降も継続して活動することとなりました。

沖縄市と那覇市で活動を行う「ホワイトハンドコーラスNIPPON沖縄」

私たちの活動は、主に沖縄市と那覇市の2拠点で行っています。

子ども同士はもとより、子どもと大人も互いに学び合い目標に向かって活動しています。舞台では、声で歌を表現する「声隊」と、白い手袋をつけて手話で歌を表現（手歌）する「サイン隊」がいます。耳が聞こえる人も聞こえない人も、目が見える人も見えない人も、車椅子の人もそうでない人もそれぞれの力を最大限に発揮させて既成概念を超越した舞台を創り上げます。舞台をご覧になった（ご参加された）方は、音楽の新たな可能性と子どもたちによる新しい社会のビジョンを実感されることと思います。

声隊、サイン隊の指導に当たる講師はいずれも第一線で活躍するプロの舞台表現者たちですが、子どもたちは日々の練習から本番に至るまで「一切の経済的な負担なく参加できる」ことも当団体の特長の一つです。

障害があるがゆえに外出しづらさを感じている家庭の子どもたち、経済的理由により音楽や交流のチャンスをつかみづらい家庭の子どもたち、そして教育上の様々な悩みを抱えた保護者たちにとって、ホワイトハンドコーラスNIPPON沖縄が家庭以外で気兼ねなく・安心して・楽しく過ごせる居場所にもなっています。

沖縄の子どもたちを取り巻く環境

沖縄には先人たちが残してくれた黄金言葉（くがにくとぅば＝大切な言葉）が沢山あります。「ゆいまーる（結廻る＝助け合う）」、「いちゃりばちょーでー（行逢りば兄弟＝一度会えば兄弟）」などはよく親しまれていますのでご存知の方も多いかと思います。美しい空と海、亜熱帯の神秘的な自然に包まれて、南国らしいおおらかでフレンドリーな文化が育まれてきた沖縄ですが、一方で、現代の沖縄では子育て世帯の貧困率の高さ（約23％）や母子世帯の所得の低さ（全国最下位）、分離教育や障害児者が孤立を感じやすい等、沖縄の子どもたちを取り巻く環境は決して楽観視できる状況にはありません。

このような困難な状況にあっても、私たちは沖縄の先人たちが残してくれた「人と人が支えあう心」、「違いを認め合って家族のように接する心」を継承し広げるべく、無償の音楽プログラムを通じた子どもの居場所とインクルーシブ教育の推進を今後も精力的に取り組んでいきたいと考えています。

子どもたちのプロ意識を醸成する

生活環境の近い学校や地域のクラブ活動とも違い、謝礼負担が発生する習い事とも違う、例え社会的に最も弱い立場にある家庭の子どもでも保護者の同意があれば全ての子どもが一流の音楽教育を無償で享受でき、地域や障害の壁を越えた交流と学びができる権利があることを伝えていきたいと思っています。

第一線で活躍するプロフェッショナルから学ぶ舞台表現は自ずと子どもたちのプロ意識を醸成します。子どもの成長段階やコンディションによって関わり方は千差万別ではありますが、少なからずお客様から対価をいただいてプロの表現者たちと一緒に舞台に立つという経験はその子が音楽の道に進むか否かに関わらず、困難があった時にもそれを乗り越える自信と原動力になる事が期待できます。