鯨類紹介:ネズミイルカ1
2023/3/12 12:20
ネズミイルカは,北半球の温帯から亜寒帯沿岸に広く生息する小型のイルカです。イルカは英語でドルフィンdolphinまたはポーパスporpoiseと言われます。ドルフィンはハンドウイルカなど吻があるイルカを指しますが,ネズミイルカは吻がないポーパスです。
特徴がないのが特徴と言われるぐらい明確な特徴がありません。背中は濃いグレーで腹側は白い。口角から胸鰭にかけて黒い線が目立つことが多いです。体長はおとなで1.4~1.7mで,メスの方が大きくなります。食性は,底でじっとしているようなタラなどの魚類から,小型のダンゴイカ科イカ類,イカナゴなど幅広い餌生物を利用しています。
大西洋,特に北海では刺網などによるネズミイルカの混獲が多数発生していて,それに対する研究も進み,混獲を防ぐための対策なども進んでいます。一方,日本周辺のネズミイルカについては,ほとんど情報がなく,現在,ストランディングの標本を集めて研究が進められています。
沿岸に住んでいるために,人間活動の影響を最も受けやすいイルカです。海岸に打ち上がっているのを見つけたら,是非SNHにご連絡ください。
分布図出典:FAO (1994) FAO Species Identification Guide Marine Mammal of the World
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