SNHの活動紹介③ 成果を広める
2023/3/8 11:02
SNHでは,得られたストランディング情報をいろいろな形で,一般市民や研究者に広く公表しています。 まず,会誌 humpe yan(フンペヤン)です。アイヌ語で「クジラがうちあがった」を意味します。アイヌの人々は漂着したクジラを頻繁に利用しており,「フンペヤン」はアイヌ語の教科書の例文に出てくるほどです。
humpe yanは,毎年3月ごろに発行されるSNHの会報です。前年の漂着情報のほか,標本を使って得られた研究の成果など短いコラムを掲載することもあります。クラウドファンディングで10,000円以上寄付してくださった方には,通常会員限定でお届けしているhumpe yanがリターンとしてお手元に届きます。どうぞお楽しみに!
また,SNHのストランディング情報はGBIF-地球規模生物多様性情報機構のデータベース https://doi.org/10.15468/f9y3xd にも登録されています。この海域の生物多様性情報として,全世界の研究者が活用することができます。
シンポジウム形式で行われる代表的なイベントが,「くじら講座」です。 ストランディングのピークも落ち着いてきた秋ごろに,道内の各地で開催しています。第1回は「博物館で泳ぐイルカ・クジラ」と題し,2022年11月19日に帯広市で開催されました。国立科学博物館の田島木綿子先生と足寄動物化石博物館の新村龍也先生を講師としてお招きし,海岸にうちあがった鯨類が博物館の標本となるまでの過程について興味深いお話をいただきました。ほかにも,SNHのスタッフが,標本を使って得られた研究成果についてお話し,会場が満員となるほど多くの方々にお越しいただきました!もちろん,第2回くじら講座も今秋の開催に向けて鋭意計画中です。開催地はどこになるのでしょうか,楽しみにお待ちください。
他にも,SNHはこれまで北海道大学CoSTEPが主催するサイエンスカフェや,小学生向けオンラインワークショップ「たねまきめぶき」,北海道大学水産学部公開講座など幅広い世代の方に向けて,漂着鯨類研究の大切さとその成果を伝える活動を行ってきました。これからも,よりたくさんの方に興味を持っていただけるよう,発信の場を広げていきます。
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