美術家 是恒さくら さんから応援メッセージをいただきました。
2023/3/4 09:23

こんにちは。是恒さくらです。 私はストランディングネットワーク北海道(SNH)のクラウドファンディングを応援しています!
北海道の海辺で起きるクジラやイルカの漂着、座礁、混獲などを調査している「ストランディングネットワーク北海道」。
さまざまな理由で海辺に流れ着く鯨類は昔から「寄り鯨」と呼ばれてきました。寄り鯨によって飢えを凌いだ伝承、寄り鯨を「寄り神」やエビスとして崇める風習、または寄り鯨によって得た富で神社や小学校を建てた土地もあり、日本列島の人々の生活と鯨類の関わりを考える上で重要な存在です。
SNHの寄り鯨の調査データを見ると、寄り鯨の発見スポットに囲まれた北海道は「鯨が流れ着く島」であることを実感します。
広い北海道の中で、各地で協力者を増やしながら調査を続けてきたストランディングネットワーク北海道の活動は、人と海洋世界の関わりを考えていく中でもとても重要な調査です。
いつ、どこで起きるかわからないストランディング。寄り鯨の調査のため、ストランディングネットワーク北海道の方々は函館の拠点から全道各地に赴きます。鯨類が流れ着く海辺は車が無ければ近くまで行けない場所が多く、体の大きな鯨類調査には人手も機材も必要です。
2021年の8月、苫小牧でマッコウクジラの子どもが漂着した時も、ストランディングネットワーク北海道の方々が調査を行いました。波の強い浜辺で解体道具や包丁を並べ、刃を研ぎながら鯨を解体して調査していく。とても手際が良く進んでいて、こうした技術が育まれるまで活動が継続されてきた年月を思いました。
広い海で生きる鯨類には、まだまだ未知の部分も多いのです。2019年にはSNHの調査から新種のクジラ「クロツチクジラ」も認定されています。
日々続いていく調査活動、応援しています!
是恒さくら (これつね・さくら/美術家)
1986年広島県生まれ。2010年アラスカ大学フェアバンクス校卒業。2017年東北芸術工科大学大学院修士課程地域デザイン研究領域修了。2018年~2021年、東北大学東北アジア研究センター学術研究員。アラスカや東北・北海道各地の捕鯨、狩猟文化、海の精神文化についてフィールドワークと採話を行い、リトルプレスや刺しゅう、造形作品として発表。苫小牧市美術博物館・企画展「NITTAN ART FILE4:土地の記憶~結晶化する表象」(2022年)開催に際して、NPO法人樽前artyプラスと共に「タルマイ浜編集部」を立ち上げた。2022年10月より「文化庁新進芸術家海外研修制度」にてノルウェーにて活動。
← 活動報告一覧へ戻る