「最強読書日記」図書館篇(1)「走れ!移動図書館」
2023/2/27 08:58
3月11日が近づいてます。そんな時期にこの本(「走れ!移動図書館」ちくまプリマ―新書)の著者である鎌倉幸子さんから寄付をもらいました。(ありがとうございます!)
ということで、突然ですが、書籍紹介です。これは震災の話でもあり、図書館の話でもあります。
作者はNGO団体シャンティに所属し、8年間カンボジアで図書館設置活動に従事。2011年には日本に戻っており広報課長という立場でした。(ちなみに生まれは青森。)その日、東京での会議中に大きな地震に見舞われ、故郷東北での巨大地震の報に戦慄します。シャンティは即座に緊急支援に動きます。決断と行動が先行し、論理と感情が後から追いかけて行くスピード感あふれる文体で以降の物語は進みます。「親族の安否は確認できなくとも、団体としての活動は始まります。」「想像して、想像して、想像しぬいた先にプロジェクトは存在する。」
彼女そして仲間たち(掃除の達人・永平寺のお坊さんも活躍)は6月には遠野に事務所を開設し、手持ちの軽トラックを移動図書館に変身させ、走行開始は7月中旬。なんと実質1ヶ月強で移動図書館は走り始めるのです。
優先されるのは衣食住です。4月に現地に入った鎌倉さんは「まだ本ではない」と感じます。しかし、気仙沼図書館の職員の言葉が突き刺さります。「食べ物は食べたらなくなります。でも読んだ本の記憶は残ります。」それはカンボジア難民キャンプの少女に聞いた言葉と全く同じだったのです。信じたのは人々を救う本のチカラです。ま、続きは本編で…。(ひ)
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