ミャンマーの子どもたちの未来を応援するため、地球市民の会を通じて勉強机などを届けます!

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戦争中の忘れられない味「ビルマ汁」

2022/10/29 23:21

戦争中の忘れられない味「ビルマ汁」のメインビジュアル

日本とミャンマーは歴史的なつながりが色々ありますが、あまり知られていません。今日は、栃木県益子に受け継がれている郷土料理「ビルマ汁」についてご紹介します。

第二次世界大戦では、日本は連合軍との戦いのためミャンマー(当時ビルマ)に戦線を拡大。インパール作戦をはじめとして、ミャンマー各地で激戦を繰り広げ、日本兵だけではなく地元の方々にも甚大な被害をもたらしました。

(写真:中部都市メティラに残る日本の戦車。激戦区だったこの街では、日本兵は比較的優しかったというが、今もミャンマー各地に戦争の跡があり、地域によっては日本兵が地元の人々に危害を加えた歴史も伝えられている)

当時の心優しいミャンマーの地元の方々の中には、自分たちも被害を被っているにもかかわらず、負けて帰る日本兵をかわいそうに思い、命がけで匿い、衣食住をサポートするなどしてくださった方もいたそうです。そうした御恩に報いたいと、戦後、ご遺族や戦友の方々が、かつての戦地を慰霊に訪れ寄付をするなど交流が続いていました。今は世代交代し、そうした交流は途絶えつつあります。

そんな中、栃木県の益子では、世代を超えて、戦時中のミャンマーの味「ビルマ汁」が受け継がれています。このスープは、20種類以上の野菜を入れて、ニンニクやスパイス、タマリンドなどで味付けした、日本でいう味噌汁のような家庭料理。戦争から戻られた方が、現地で食べた忘れられない味として、益子に戻ってから地元で手に入る材料で作り続け、今もカレー味のスープ「ビルマ汁」として夏祭りなどで振舞われているそうです。

SOSIAメンバーも現地で、あるいは日本のミャンマーの方のご家庭でご馳走になることがありますが、辛くない野菜ベースのトムヤンクンという感じで、酸味と旨味の詰まった、とても美味しいスープです。

都会で20種類以上の野菜を手に入れようとすると、スーパーで買いそろえるのが大変ですが、おそらく当時の、そして今もミャンマーの田舎では、山や田畑で採れた野菜をふんだんに入れているのだろうと想像します。

戦争中に、日本兵を助けてくれた方も、助けられた日本兵も、その多くは亡くなられ、記憶が薄れつつあります。そうした中、当時の味が郷土料理として受け継がれていくことで、日本とミャンマーの歴史、その当時の人と人とのつながりを思い出すことができればいいなと思います。

そして、かつては戦争という悲しい記憶をもつ日本とミャンマーですが、これからは平和の絆を紡いでいけたら、今回の日本からミャンマーの子どもたちの学びを応援する取り組みが、その糸のひとつになればいいなと思います。


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代表:理事長 山口久臣

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