団体の活動紹介~小笠原諸島
2022/8/22 09:16
こんにちは。スタッフの北山です。
今回は小笠原諸島での活動についてお話します。
ELNAは小笠原諸島父島で小笠原海洋センターを拠点として調査・保全、普及啓発活動、人材育成活動を行っています。 そう。知っている人は知っている、時々ツイッターがバズるあの小笠原海洋センターです。 (https://twitter.com/mt_seaturtle)
小笠原海洋センターは、(財)東京都海洋環境保全協会により1982年4月に開設されました。 センター事業の運営と施設管理に関しては、2006年4月からELNAが実施しています。 カメをたくさん飼育していることから、島民からは「カメセンター」と呼ばれています。
小笠原では主に「アオウミガメ」の保全活動に力を入れています。 島では昔からアオウミガメが食肉として利用されていました。 現在は東京都の漁業調整規則に従ってウミガメ漁が行われていますが、過去には食用に乱獲されて数が激減した歴史があります。 アオウミガメを増やそうとする取り組みも100年以上前から行われていますが、数を回復させるには至らず、一時はかなり減少しました。 しかし、その後の保全活動により、現在は30年前の約10倍にまで産卵巣数が回復しています。
春~秋にかけて、小笠原はウミガメのシーズンになります。 春には繁殖にやってくる大きなカメを湾内でたくさん見ることができます。
産卵シーズンである夏には産卵調査を行っています。父島、母島、聟島にある何十もの海岸をまわり、産卵巣の数を数えます。 その後のふ化シーズンでは、ふ化が終わった産卵巣を掘り出してふ化後調査を行います。 このふ化後調査を行うことで、何匹の赤ちゃんガメが海へと帰っていったのか?がわかります。
また、海洋センターではふ化場でふ化した子ガメを半年~1年程飼育し放流する「ヘッドスターティング」も行っています。 ある程度体を大きくしてから放流することで、カメに標識をつけることができます。 この標識があることで、カメの回遊経路がわかったり、野生化での成長の速度などを知れたりします。
一生のうちの大半を海で過ごすウミガメの生態を知ることは簡単ではありませんが、 このように少しずつ手掛かりとなるデータをあつめて生態解明に役立てています。
小笠原海洋センターでは、観光客の方の向けての参加型プログラムや、業務をサポートしてくれるボランティアの受け入れも行っています。 小笠原に来られる際は、ぜひ海洋センターにお立ち寄りください。 ウミガメたちがまっています♪
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