2016年度の岡山県備中県民局事業から始めた「学童保育×作業療法士」連携。
発達障害など配慮の必要な子どもたちの支援に指導員と作業療法士が連携してチャレンジしています。これまでの指導員の経験に作業療法士の新しい視点が加わり、効果を上げています。2017年からは、助成金を活用して全国に広げています。予算をつけて作業療法士コンサルを実施する市町村も誕生しています。
しかし、日本での作業療法士の主な職場は病院。作業療法士を目指す学生さんたちに、地域で活躍する作業療法士の姿を知ってもらい作業療法士の多様性、可能性を伝えるために、全国の養成校に「学童保育×作業療法士」の連携本を贈りたいと思います。
ストーリー
◆アメリカの学校には作業療法士がいるらしい
「学童保育×作業療法士」連携の始まり
2020年3月の新型コロナウイルス感染防止のための「学校」一斉休校。「学童保育(放課後児童健全育成事業)」は、原則開設となり、社会のインフラとして、注目されました。学童保育は少子化にも関わらず、利用児童数はうなぎのぼり、130万人以上の子どもが利用している。全国各地でそれぞれの状況に合わせて誕生し、法制化されたものの脆弱な制度のままです。
「量の拡大」には注力されていますが、施設、処遇、開設時間など「保育の質」は後回しになってしまうのが悲しい現実です。私は、学童保育に子どもを預けて働き続けていた保護者OBです。上の子はすでに30歳を超えましたので、学童保育に関わり始めて四半世紀になりますね。(笑) 岡山は当時「地域運営委員会」という運営方法でしたので、保護者も運営者の一員として、運営について考えていました。
♡25年前の現役保護者の頃
保護者会の企画のデイキャンプ、岡山市学童保育連絡協議会のフェスティバル、指導員さんへのパソコン教室(たぶん、「エクセル」懐かしい。)
その後、岡山県学童保育連絡協議会の役員になりましたが、子どもたちの過ごしやすさ、それは、指導員さんの働きやすさを考え続けています。それは、そのまま、働きながら子育てをする保護者の安心です。特に、私は「発達障害等の配慮の必要なの子どもへの対応」に悩んでいる指導員へのサポートがないことがずっと気がかりでした。研修会などで学んでいるにもかかわらず、不安そうでした。
そんな時、30年ぶりに会った作業療法士の友人から「アメリカの学校には作業療法士がいて子どもの支援をしている」と聞き、ならば、学童保育に導入してはどうかとひらめきました。ほぼ同時期に学童保育の支援に関心を持ってくださる別の作業療法士さんにも出会いました。(奇跡!)
岡山県備中県民局協働事業に採択された!(2016年)
早速、岡山県学童保育連絡協議会として、「2016年度岡山県備中県民局協働事業」に「地域的でチームで長い目でー発達障害があっても、自分らしく生きられる備中地域づくり」というテーマで応募し採択され、「行政との協働」という形で、そして、岡山県作業療法士会の全面的な協力を得て、「学童保育×OT」のチャレンジを始めました。
♡なんだかよさそうだから、やれることからやってみよう
コンサル(現場指導)やOTによる指導員向け講座を実施し、事業の有効性を確信し、「目指せ!施策化!」と議員視察、マスコミ取材、SNS、書籍発行、学会発表などありとあらゆる方法で、発信を続けました。補助金や助成金でチャレンジできるのは1年、長くて3年ですから。初コンサル後の倉敷市議会では議員質問があり、翌2017年4月には学童保育の担当課に「人事異動」で作業療法士資格の職員が配置されるという、私たちの予想外のいきなりの成果がありました。
なんとかして施策に!そのために全国の学童保育関係者や作業療法士にこの取り組みを知ってもらわねば!と、翌2017年は、岡山県全域への展開とともに、独立行政法人福祉医療機構社会福祉振興助成事業に応募し、採択。3年間毎年応募し続けて、行政施策を目指して、あの手この手の大作戦を繰り広げました。
スタートした2016年、早々に厚生労働省雇用均等・児童局少子化総合対策室長へも要望書を届けに行ってみたりもしました。2018年7月には、岡山県の単県事業で「岡山県放課後児童クラブ学びの場充実事業」(県1/2、市町村1/2、政令市、中核市を除く)が創設され、OTコンサルにも活用できることとなり、行政の予想外のアイディアとスピードに驚くばかり。また、国の方でも「巡回アドバイザー制度」ができ、作業療法士の活用も可とのコメントももらえました。(でも、まだ手を挙げたところないかも)
◆施策化も実現。
地域でさらに輝く「作業療法士」
2016年の連携事業の開始直後から、沖縄県南風原町役場を皮切りに、大分、佐賀、宮城など全国から問い合わせをもらい、行政や地元の作業療法士会につながりました。イメージしたことのない「学童保育と作業療法士(OT)の連携」。「OT」という子どもを支える専門職の存在を知り、コンサルでつなぎ、学童保育指導員のスキルアップ、モチベーションアップを各地で実現することができました。学童保育、OT、議員、行政関係者とさまざまな人の尽力により、既存の心理士巡回訪問に上乗せしてOT訪問(兵庫県明石市)、子どもの支援の町の施策として「OTの活用」(沖縄市南風原町)、独自予算で宮城県石巻市、大阪府泉南市、岡山県笠岡市、大分県豊後大野市などなど地域に合わせた施策が実現しました。
もう一息だ! ここでコロナが…
オンライン活用でさらに広がる
という2020年始まりのタイミングでの新型コロナウイルス感染症。「原則開所」の学童保育の現場は右往左往。オンラインを素早く活用し、OT連携は途切れることなく、続いています。地元岡山県ではついに県単独事業を活用して、笠岡市は、コンサルの実施を決めてくれました。コロナ禍でオンライン相談が始まりました。学童保育関係者、OT、議員、行政担当者、マスコミ、さまざまな人がそれぞれに動いて、思い描いた未来が一気に現実のものになりました。
オンラインの普及で全国規模での学習や交流が簡単にできるようになりました。2020年6月から毎週火曜日の夜にOTや地域での活動をテーマにした交流会を行い100回を超えました。各地で奮闘している作業療法士さん、学童保育メンバー、そのほかの専門職の活動に触れています。
山積している学童保育の課題の中では、「指導員への障害児対応のサポート」の優先順位は低いかもしれませんが、どのクラブにも確実に存在し、日々直面している課題です。モデル事業を通して一定の案が示せたので、どこでも実現できるはずです。
◆学生さんに知ってもらおう
子どものOTは少なくて、職場がない現実
地域の子どものために働きたいという作業療法士さんにもたくさん出会います。しかし、作業療法士の職場は圧倒的に病院や施設が多く、「地域・子ども」という職場はまだまだ少数です。
先日、「学生時代に、『学童保育に作業療法士がやってきた』(前作)を読んで、今の職場を選びました。」との若い作業療法士さんの声を聞きました。さらに「学生は、本で情報を得る」とも教えてくれました。そこで、学生の時期に、作業療法士の仕事の多様性、可能性に触れていただきたいと思い、私たちの活動の記録を届けたいと思います。
画面右下の「支援する」ボタンで500円から寄付できるので、是非気軽な気持ちで寄付をお願いできると嬉しいです! 母校への書籍寄贈も大歓迎です。(寄贈希望の学校名をお知らせください。)
♡笑顔! 神奈川県の放デイ「リノア」で
全国?交流会。学生さんも参加!2019.12.
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作業療法士の養成校は、全国に現在208校あります。63円*208校=13,104円(ここは達成したいです。)全校に本を贈るとすれば、34万~50万円かかりますが、先着順で寄付いただいた冊数のみ贈りたいと思います。
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※ 寄付金は決済にかかる手数料と利用料を除いた全額が団体へ寄付されます。
このページはSyncableの機能を使って作成していて、支援先団体は非営利で公的活動を行っている団体を対象としています。
岡山県学童保育連絡協議会 会長 糸山智栄バースデードネーションのページをご覧いただきありがとうございます! バースデードネーションとは、誕生日プレゼントの代わりに寄付を集めるキャンペーンのことです。