【現地スタッフ・スラージュの声】なぜ今、SSJが教育支援に取り組むのか
2022/6/29 15:05
SSJは2022年6月より、シリア北西にて次世代の子供たちの教育を支援する新プロジェクトを開始した”シリア国内避難民の子どもたちに未来を切り開くチャンスを!”。
ここで、「民衆と共に自由で民主的な社会の構築」をシリアで目指すSSJがどうして教育という分野に踏み込んだのかと疑問に思われる方も多いであろう。現地マネジャーの私が考えることをここに纏めておきたいと思う。
SSJはシリア解放地区(非アサド政権支配地域)の公式教育を支援する初めての日本の組織である。このプロジェクトは真の革命、すなわち知性と尊厳の革命の継続を後押しするものである。
子供にとっては:
1.教育の継続によって子供を暴力や武装集団への誘惑から遠ざける。
2.教育の継続により、女子を若年結婚の風潮から遠ざける。非常に過酷な状況の中、家庭によっては女子を食い扶持減らしのために結婚させるという背景がある。
3.社会が教育を受けた者により支えられることで、暴力から遠い理想的な革命の原理を持ち続ける。
4.戦争や過酷な状況の中で生きてきた子供達の精神面を保護する活動により、その精神的重圧を軽減する。
5.学校の支援は、人間を形成する役割を持つ地域の革命諸組織の支援にも繋がる。
6.教育を受けることは世界中の子供の権利である。そしてこのプロジェクトによりこの正当な権利を守ることができる。
7.戦争状態の中で、最も脆弱で影響を受けるのは子供達である。我々は子供達が社会の中で実際的な役割を果たす人物となるよう、支援を行う。
家族にとっては:
1.保護者は学校に支援が入ったことがわかれば、すぐに子供を入学手続きを行い、子供を送り出すであろう。(教師への支援のない学校では、教師も自らの生活費を稼ぐために職業を探さねばならず、教育業務に専念できない)
2.支援が入ることで、学校が安定して運営され、家族は子供を月20ドルの月謝を払って私立の学校に行かせる必要がなくなる。実際にSSJが支援を行う学校の生徒数は、支援前と比較して、120人から215人へ倍増した。そして生徒数は今後も増えていくであろう。
3.カバンなどの提供で家庭の負担が減るとともに、子供達が学校に復学することが促進される。
4.遠く離れた日本に暮らす人びとが自分たちの子女を支援してくれていることで、日本に対する関心も増す。これは長い戦争状態での疲弊感や閉鎖感からの解放に繋がる。
教師にとって:
1.多くの教師が革命期に設立された専門学校や大学で学び、卒業している。彼らを支援するということは、これらの教員養成機関や学術機関の継続と発展につながる。
2.教師の支援により、彼らが学んだことを生かすことができる。また同時に彼ら自身が家計維持者であり、家族を扶養している(そのために教師の生活も確立させることができる)。
3.教師の給与が確保されることで、彼らも尊厳をもって生活できる。いわゆる支援バスケット(食料などの支援物資の入ったパッケージ)の支給により、社会の中で人々は「頼る」という流れにはまり、怠惰に陥るが、このような状況から抜け出すことができる。
4.教育局も教師達も日本からの支援が入るということを聞いて非常に驚いていた。そしてSSJ のロゴに「日本」という文字が入っていることを非常に喜んでくれた。SSJの活動や信念に関しても説明を行い、今後の更なる協力関係の確認を行なった。
あれから11年、限りない自由と尊厳を求めた私たちの革命は終わってなどいない。そして、これからの世代は私たちシリアの希望である。この貴重なキャンペーンにどうかご寄付を通して日本の皆さんにも、シリア革命に参加していただきたいと心から願っています。
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教師1人の1か月分の給与保障
1,500円
※年間の継続支援の場合の用途になります。
学校運営が出来ない大きな理由が教員の給与が保証されていないことです。
毎月の支援をしていただくことで、20-30名の生徒に授業を実施する教員が1ヵ月間安心して働いていただける給与保障となります。
5人の子どもの勉強用具支援
3,000円
※年間の継続支援の場合の用途です。
経済的に困難な家庭の子どもたちは、勉強用具を用意できないという理由で学校に行くことが出来ていない場合が多いです。
このような家庭の生徒5人が1年間学校に通うことが出来るように文具品を支給します。
子どもたちのメンタルケア
5,000円
※年間の継続支援の場合の用途になります。
非政権支配地域の子どもたちは長引く危機的状態の中で、心理的トラウマを抱えていることが多く、いつ再発してしまうかわからない状態にあります。
レクリエーションやカウンセリングを通して、子どもたちの心理的負荷を軽減する心理的療法士の方を雇用します。