突然ですが、あなたは「自分らしく」生きることができていますか。この問いに「はい！」と元気よく答えられる人もいれば、「いいえ」とうつむきながら答える人もいるかもしれません。
そもそも「自分らしく」とはどういう状態なのでしょうか。この問いかけをした私自身も「自分らしく」の定義が難しいと感じています。私が定義するとしたら「自分らしく」とは、「自分の思考・特徴を周囲と共有して受け入れてもらっている状況」だと思います。
　
　私はあらゆる人が自分らしく生きられる社会を作りたいと活動しています。世の中には、数学が苦手な人、絵が上手な人、音痴な人、運動が苦手な人、手足が動かない人、目が見えない人、耳が聞こえにくい人、毎日インスリンを注射している人、人工透析を受けている人、心臓移植を待っている人など、いろいろなバリエーションの人が生きています。そして、各々で得意なこと、苦手なこと、できること、できないことが違います。「みんな同じことができる」という考え方が当たり前になってしまっている今の社会を、「自分の得意なことで誰かを補って、苦手なことやできないことは誰かに補ってもらう」という考え方が当たり前な社会にしたいと思っています。そうすれば「自分らしく」生きられる可能性が高まるのではないでしょうか。

　医療は日々進歩していますが、残念ながら先天性心疾患や小児がんを経験している子どもの中には大人になれずに亡くなってしまう子どもがいます。そのような子どもたちが最後まで自分らしくいられる環境を目指す「信州こどもホスピスプロジェクト」を私は応援しています。医療と自分の生活のバランスが保たれ、その時に自分のやりたいことができて、自分らしさを保てる環境がこどもホスピスなのだと思います。ぜひとも実現させましょう！