バースデードネーションの終わりに
2021/10/7 16:34
少し遅くなってしまいましたが、バースデードネーションへのご参画ありがとうございました。珍しく、自分たちの団体のための資金集めをしたのですが、77,906円もの資金を頂けました。この資金は勝手ながら、一般財団法人リープ共創基金のリブランドのために使わせて頂こうと思っています。
さて、私自身は寄付をする時にインドのスラムで出会ったホームレスの少年を思い出すことがあります。話をしていたら、仲良くなってしまい、一緒にご飯を食べただけの関係です。
衣服とも呼べるかどうか怪しい身ぐるみだったのですが、裏腹に彼は英語が堪能で、彼は僕と対等に話をしてくれました。俺はアイスクリームを食べたいとか主張はするのに、要求をしないという不思議な紳士さを持ち合わせていて、じゃあ、ご飯でも一緒食べるかと近くのレストランで食事の合間の話をしました。
なんでおまえそんなに英語を喋れるのだ?と聞いたら、スラムの中にも(NGOとかがやっている)学校があるのだ、知らないのか?と諭されました。身ぐるみで自分の能力を判断されざるを得ない状況での彼なりの抵抗だったのかもしれません。
なぜ、こんな話をしているかというと、財団という仕事は「選ぶ」仕事だからです。例えば、スラムの少年に教科書を提供するのがいいか、食料を提供するのがいいか、それとも金銭なのか、学校をつくるのがいいのか、さらには、どの地域のどの少年に支援を提供するのか、もしくは、しないのかということを悩みながら資金提供を行っているのが財団です。
「選ぶ」ということは、彼らの尊厳を奪う行為にも守る行為のどちらにもなり得ます。選ぶということは、彼らの尊厳を奪う行為にも守る行為のどちらにもなり得ます。
我々は財団のミッションを「最も困っている状況に置かれている人々に最高の支援を届ける」という言葉に昇華させたところなのですが、そんな時に彼のことを思い出したのでした。我々ははたして当事者の尊厳を守る資金提供をできているのだろうか?そんなことを自問自答したりもしています。
財団のリブランドでは、当事者の尊厳も射程に入れながら、改めて皆様との関係を育てていく機会にさせて頂きたいと思っています。バースデードネーションは手作りのご馳走を頂いたような感覚になりますね。改めて感謝をしています。
おそらくスラムの彼は今、20歳くらいで活躍している頃だと思います。ただ、彼のような状況に置かれている人々はまだまだいますし、彼はその中で幸運に恵まれた方なのかもしれません。改めて、届けるという挑戦を貫いて行こうと考えています。
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