後戻りできなくなるのでは?という怖さの正体について
2021/4/15 10:16
こちらの活動報告で書いてきましたが、学生の団体から始まり、何もなかったWELgeeは、少しずつ、いろんな方のお力添えや応援をいただきながら成長させてもらってきました。
ただ、初期の頃、全力で前に進みつつも、いつもどこかで心の中にあった「これ以上進んだら後戻りできなくなるんじゃないか?」という怖さが実はありました。
そう、言語化できていなかったけれど、数年前の活動の写真を見返していてふと思い出した感覚です。(キャプションの写真は2016年!)
応援が増えれば増えるほど、参加してくれる人が増えれば増えるほど、人がより信頼してくれればくれるほど、扱うお金が自分の持ち出しではなく誰かが信じて託してくれたものになればなるほど。
ゼロから何かを立ち上げた人は、もしかしたら似た感覚を覚えたことがあるかもしれません。
「これ以上進んだら本当に後戻りできなくなるんじゃないか?」は、私だけではなく、任意団体の頃に深く関わってくれた友人たちの中にもきっとあったんだろうなぁと思います。
人生において様々な選択肢や可能性が毎日見える時期。
新しいプロジェクトって、わくわくしたり、アドレナリンが出てくるのと同時に、
「卒業したらこんなに深くは関われないだろうな」
「留学しようと思っているから、このプロジェクトの担当をするとどこかで迷惑をかけてしまうかもしれないな」
「ジェスと同じレベルで関わり続けることはできないってどっかで伝えなきゃな」
「単発イベントじゃなくなったときも自分がやれるのかな」
「いまお手伝いできても、仕事としてはやれないよな」
「自分は他の団体も掛け持ちしているから、WELgeeにずっと関われるというわけではないんだよな」
「中長期的なインパクトとか問われても、自分が関われるのはあと1,2ヶ月だろうな」
「やっぱりやれませんって言い出せないかもしれない」
このイニシアチブは誰のものなのか、主語は自分なのか、協力してるのか自分がリードしてる側なのか。でも、それを話題に出すって怖い。フルコミットを求めすぎて、熱く語りすぎて引かれちゃって、1人になってしまったらどうしようとか。いま考えると、私もびびってたなあと。
大学生のときのサークルや部活と大きく違う感覚かもしれません。
サークルは最大で4年だという前提で入ります。
10年後に成し遂げたいことなんて問われない。
新しい人に、未来のビジョンを語って仲間になってもらう。応援してもらう。そこで私が語ること伝えることは、現在はまだないもの。まだ見ぬ未来なわけです。
口では言ってたけど実際は違うじゃんとか、できるって言ってたのにできないじゃんとか、整っているように感じてたのに実際は何の仕組みもないじゃん、大きいこと言ってるけど全然サステナブルじゃないじゃん、とか、そんながっかりや失望もさせてきてしまっただろうなと振り返って感じることがあります。反省も多い。
と、ここまで書いてきて思ったのは、この怖さはまた違う怖さかも。
これは関わるようになってくれる人に、「語ってる理想と内実は違うじゃん」と思われる怖さですね。
つまり、自信に満ちたような顔でプレゼンしていても、こんなふうに心の中にはいろんな怖さがあったような気がします。
ちなみに、この種類の怖さは、この5年のどこかでふと消えました。
それは、組織の成長に自分の成長が追いつかなくても補い合えるチームメンバー、共に組織や社会の未来の状態を語るとき、外からのコメントや、客観的なアドバイスだけではなく、そこに自分がいる前提で話し合えるチームメンバーに出会えたことが大きいと思います。
でも、おそらく「後戻りだってしてもいい」と、思えるようになったことも大きい気がします。
人生長いし、失敗してもいい、後戻りしてもいい、できないときはできないと言っていい、常に前進できなくてもいい、絶対にやめちゃいけないわけでもない。期待に応えられないときもある。
いま学生で、卒業後に何か立ち上げようとしてる人、現在はアフター5に続けてる活動を法人化しようとしてる人、いまの仕事を辞めて新しいチャレンジをしようと思ってる人は、登記したら腹が座るとか、人を雇うようになったら段階が変わるとか、起業のプロセスにはいろんなことが言われるような気がします。
後戻りも、失敗も、かっこよくはないけれど全然ありだし、完璧になんていかないし、どこからも批判されないようなプロセスなんてありえないと、振り返れば感じます。
それをよしと思えるようになると、また新しいステージかなと思いつつ、この先も、「ああ自分、こういうことに怖さを感じてるな」という感覚自体を否定せずに受け止められるようになるのが、30歳のちっちゃな目標です・・・!
最終日、バースデードネーションのほうも、どうぞよろしくお願いします。
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