事務局長からのメッセージ
2021/1/28 13:04
ご支援頂いている皆様へ
事務局長の川崎元広です。
平素より、「社会福祉法人 日本介助犬福祉協会」の活動にご関心を寄せてくださいまして、ありがとうございます。今日は、改めて私たちのビジョンをお伝えしたいと思います。
【介助犬だからこそ出来ること】
生まれながらにして不自由を強いらている人がいます。
わずか半年の間に身体に異変が起き不自由を強いられる人がいます。
健常者には想像もつかない苦しみ。でも介助犬ならその笑顔を取り戻させることが出来るのです。
【私たちの取り組む課題】
皆さんは、手足や指先に力が入らないと、いかに不自由か想像をしてみたことはありますか?
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服の脱ぐこともままならず、
割りばしは、口で割らなくてはならず、
落としたものを見ず知らずの方に頼んで拾ってもらうことの心苦しさ、
ドアすら開けられず、
一人で転んだら、いつまでも地面に倒れたまま放置され、
自販機で購入したペットボトル飲料を落としても拾えず、その度に諦めていること、
コンビニで買い物をしても、開封して食べることはできなかったり、
家族には毎日苦労を掛けていると心苦しくなり、
誰にも会いたくなくなり、
部屋を出ることも怖くなる、、
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これは、実際に介助犬ユーザーの方々から聞いた現実の話です。
しかし、ある日介助犬の存在を知った時から、彼らの未来に小さな光が見え始めます。
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もし介助犬が手伝ってくれたら、、
落ちたものを広い手元まで運んだり、
衣服を脱ぐ手伝いをしてくれたり、
割り箸を割ってくれたり、
携帯電話を持ってきてくれたり、
ドアを開け閉めしてくれたり、
容器の蓋を開けてくれたり、
緊急時に助けを呼びに行ってくれたり、
転びそうになった時は支えてくれたり、
さらには、コンビニのおにぎりのフィルムを剥がすことまで手伝ってくれたりします。
★★★
生活は一変します。介助犬が生きる希望を与えてくれたから、、心の不安が一掃されるのです。
介助犬と一緒なら、部屋から出てみようかな。
介助犬が手伝ってくれたから、服だってすぐ脱げるし、
割りばしは、サッと割ってくれるから人前でも恥ずかしくないし、
携帯電話を直ぐに持ってきてくれるからどこに置いても安心だし、
ドアを開けてくれるから、車椅子でモタモタしないから廻りに迷惑かけないし、
転んで怪我をしても、助けを呼んできてくれるから、何とかなるし、
小腹が空いたときに、コンビニで買ったおにぎりをスムーズに食べられるから、、
だから、今はいつも笑顔で過ごせています。
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私たちの仕事は、「身体障害者の方に笑顔で過ごせる未来を届ける」こと。
ただそれだけなのですが、目の前には大きな障壁が立ちはだかっています。
私達は介助犬を無償で訓練し、助けを必要とする身体障害者の方々へ"無償"で貸与しています。
約2年を掛けて一頭の介助犬を育て、主に身体障害者の手先指先の動作をサポート出来るように訓練をしますが、その訓練は容易ではありません。
介助犬トレーナーと一緒に、365毎日練習を積み重ねて行くことで介助犬になることが出来ます。
そして、訓練を終えた介助犬たちは、一生懸命に使用者を助けてくれています。
★★★
ところで、皆様はご存知でしたでしょうか。
実はこの活動を支える資金のほとんどは一般市民の方々からの募金のみに頼っているのです。なぜでしょう。
多くの方々から、「社会福祉法人は公的補助があるので運営資金には困りませんね」と言われます。
しかし、実際には介助犬育成の仕事にはそういった補助が無いのが現状で、自力で寄附を募るしかないのです。
そのため、私たちは最小限の人数で活動し無駄を省きながら介助犬育成に努めています。
当然私達には、募金活動をする時間も限られているためになかなか活動資金を安定して得ることができていません。
介助犬を希望する人は年々増加していますが、現状では約2年待ちになってしまう場合も少なくありません。
人手が足りずトレーニングが間に合っていないのです。
【なぜこの課題に取り組むのか】
活動資金を安定させ、十分に活動することで介助犬も増え、共に暮らせる人が増え、笑顔も増える。
それを実現させることが課題を解決することにも繋がります。
前述したように、もし自分が身体障がいを抱え日々苦しい思いをして生活していたらと想像すると辛くなってしましますし、そういう不自由な思い出孤独に生活している方がいると考えると、居ても立っても居られないのです。現実を知っても、自分一人の力では何もできないと思い知らされる日々が続きました。
苦しんでいる人へ少しでも平穏な時間を届けたい、
いったいどうすれば良いのか、、、
そして介助犬の仕事に出会い、介助犬の可能性に気づかされ、今の活動を続けています。
私たちと共に、今まで何頭もの介助犬が活躍してくれていました。高齢で無くなった引退犬や、引退後余生を過ごしている犬たちに老後を穏やかに過ごしてもらうことも、犬たちへの重要な恩返しです。
今、私に出来ることは小さなことかもしれません。しかしその活動によって笑顔を取り戻せる人が一人でもいるのなら私は頑張ります。
しかし、私一人では限界があります。
1ミリの小さな穴から差し込む希望の光を、努力して大きな光の輪に育ててみせます!
どうぞ皆様のお力をお貸しください。
社会福祉法人日本介助犬福祉協会 事務局長(専務理事) 川崎元広
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