和菓子とマスクと銀山
2020/6/17 16:44
昨日6月16日は、「和菓子の日」でした。
平安時代の848年6月16日に、仁明天皇が16の数にちなんだ菓子、餅を神前に供えて疫病退散を祈願したという故事に基づいて、全国和菓子協会が1979年に制定しました。
茶道や煎茶道の献茶の際にも菓子を供えますが、この頃からそういう習わしがあったとは今も昔も人間が考えることはそう変わらないように思えます。
さて、現代の疫病といえば、新型コロナウイルス肺炎。日本だけでなく、世界中が混乱しました。疫病感染予防として、現代ではマスクを用いていますが、ここ石見銀山では江戸時代に鉱山病予防として防塵マスクを用いていました。これは岡山県笠岡市の医師、宮太柱が考案したもので、「福面」と呼んでいました。絹素材の周囲を鉄で覆い、真ん中にも鉄を通した3Ⅾ使用。その内側に梅肉を挟み、梅の酸でマスクに付着する油煙や粉塵を防いでいたようです。
日本衛生材料工業連合会(東京)によると、日本でマスクが使われ始めた資料として明治初期の1879年の広告が見つかっているが、それ以前の資料は確認されていないそうです。もしかすると、銀山の「福面」が日本最古のマスクとして紹介される日も近いかもしれません。
今日は、その「福面」についての撮影を地元のテレビ局に取材をしていただきました。地元の皆さんにもこの「福面」について広く知っていただいているところです。
昨日のお茶の稽古では、もちろん皆さん「和菓子の日」をご存知で、「福面」の話もしながらキラキラ輝く和菓子をいただきました。
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