距離のバリアフリー ~学びのウーバーイーツ~
2020/6/12 13:01
昨日6月11日は入梅でした。
ここ石見銀山資料館がある島根県も、梅雨入りしました。湿度が高く、なんとも過ごしにくいのですが、昨日訪れた場所はそんな湿気を感じさせることなく、活気にあふれていました。
私どもが訪ねたのは、大田市民センターの一室。ここで、ろう者の方々が月一回の定例会を開いていらっしゃいました。そして、集いの終盤に仲野館長による石見銀山講座を行いました。市やボランティアの方が通訳をしての開催です。
第1回目は、「石見銀山と世界遺産について」
ろう者の反応を見ながら画像とともに話を進めますが、初めて分かることもたくさんありました。まず、「間歩」や「天領」という手話が存在しないのです。より言葉を簡単にしながら分かりやすく伝え、楽しく石見銀山について知っていただくことの難しさを、ろう者の方々から教えていただきました。
最後に、「楽しかったあ」と言っていただけたことがとても嬉しく、次回はより分かりやすい言葉や資料提示をしようと思いました。
私どもがこの会に参加できるのも、昨年大田市内の小学生と高校生が動画づくりをする際に市役所の地域福祉課とも連携して学びのバリアフリー活動ができたためです。ろう者が石見銀山について学ぶ機会がない、現地にもなかなか行けないということを知りました。
どうしたら、学ぶ機会が作れるのだろう。
こうしてろう者の方にも石見銀山を知ってもらいたいと思い、地域福祉課に相談をして、ボランティアで講座をしています。ここにいらっしゃる方々は皆ボランティアで参加をしています。昨年の出会いを経て実現した新しい試みです。
ろう者の方々と接してみて分かること、教わることが多々あります。誰もが学べる石見銀山にするにはまだまだ道のりは遠い。しかし、色々な立場の方と接することをいとわず、誰かの困り感を取り除くこと。そこに学びのバアリアフリーは存在するのだと感じています。
知る機会がないのなら、そこへ出かけていって知ってもらう。いわゆる出前講座です。私どもはそれを、「学びのウーバーイーツ」と名付けてみました。なかなか時代に合っていて気に入っています。
ニューノーマルな時代がくると言われる今。私達は常識を超えて居心地よい暮らし方を探していかねばなりません。
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