佐藤万里さんより応援メッセージをいただきました
2020/6/9 10:18
石見銀山のことを知りたいならここだよ、と紹介するのがこの資料館です。銀鉱石を採掘し、製錬するために実際に使われていた道具の数々、銀や銅を含んださまざまな鉱物(石)、江戸時代に石見銀山を治めた歴代の代官たち……。さらっと回れば10分くらいの広さなのに、じっくり見ていけば1時間あっても足りないほど充実した展示品が並んでいます。
そして何より魅力なのは、静かな佇まいを見せる木造の建物! いま資料館となっているのは明治35年(1902年)に建てられた郡役所で、歴史的に価値のある建造物を保存しようとこうして活用されることになったそうです。板張りの廊下や朱色がかった土壁など、一歩なかへ入れば100年前へタイムスリップしたかのようです。
そんな石見銀山資料館が、新型コロナウィルスの感染防止対策による休館や観光客の激減のため、いま経済的危機に立たされているとのこと。悲しいことです。文化や芸術に対する公的支援が遅れている現状が残念でなりません。
関東では歴史的価値のある文豪ゆかりの宿が相次いで廃業となりました。なぜ守ることができなかったのか、これ以上同じような悲劇が起きてほしくありません。
一度失われてしまったものは二度と返ってこないのです。私たちには歴史を受け継ぎ、次の世代へ伝えていく役目があります。いまは誰もが苦しい時を過ごしていますが、みんなで少しずつ助け合っていきませんか? たとえ小さくても、あなたの灯火が石見銀山資料館を支えてくれます。世界が注目した石見銀山の歴史を子どもたちの世代へ伝えていこうではありませんか。
世界遺産とは、ひとつの国だけでなく、人類全体にとって貴重でかけがえのない財産のことです。コロナに負けず、この人類共有の財産を守っていきましょう。あなたの力を貸してください。
〈プロフィール〉
舞台作品やテレビドラマの脚本・作詞、小説の執筆などを手掛ける。主な作品に『二都物語』(帝国劇場)、『世にも奇妙な物語』(CX)など。大田市とは第6回島根音楽祭『学校ネズミのコンサート』をきっかけに交流を続けている。小説『ようこそカズ先生』(TO文庫)ではミュージカルに挑戦する大田市民の姿や石見銀山を描いた。
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