事業の目的
YSCグローバル・スクールは、NPO法人「青少年自立援助センター」(東京都福生市)が2010年から行っている、海外にルーツを持つ子ども・若者のための教育支援事業です。
対象者は6歳から30代まで。高い専門性を持つ日本語教師・教科講師が教える授業と、多文化コーディネーターによる各種サポートを提供しています。これまでの受講生の出身は中国・フィリピン・ネパールほか40カ国、累計で850名超を支援してきました。教室での対面授業に加えて、2016年からはオンラインでのライブ配信授業を実施しています。
2020年に入り、新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令や一斉休校時には、子ども達が安心安全に学びを続けられる様いち早く環境整備を行いました。
また、全国の海外ルーツの子どもたちの自宅学習をサポートするため、オンライン上に自習ルームを開講し無料で一般開放しました。コロナ禍収束の兆しが見えない2021年2月現在も、再度無料オンライン自習ルームを開講し、引き続き全国的に海外ルーツの子ども達の学習支援を行なっています。
2020年度の通常授業が始まってからも、自宅から通える範囲にこうした学びの場がない、地方在住の受講生が増え続けています。スクールの開設当初は文科省の補助金により子どもたちは無料で利用できましたが、補助金制度の終了に伴い、持続可能な運営をめざして2015年度に受講料の保護者負担へと踏み切りました。
一方で、スクールが支援する年間100名余りのうち、約30%の家庭は失業や不安定な就労、病気、ひとり親などの事情を抱え、経済的な困難に直面しています。お金の問題で受講をあきらめてしまうことがないよう、スクールでは寄付を原資とした独自の奨学金を支給し、困窮家庭の子どもたちに門戸を開き続けています。
これまでの活動
▼ウェブサイトをご参照ください。
https://www.kodomo-nihongo.com
みなさんからのご支援でできること
困窮家庭の子ども・若者たちが、次のクラスを受講できるようになります。
1)海外ルーツの子ども・若者に特化した日本語教育
日本語力や年齢等に応じて編成されたクラスで、日本語教師(有資格者)が体系的に教える授業を受けられます。
個人差はありますが、日本語ゼロの状態で来日した子ども・若者が当スクールで集中的に学ぶことで、数ヶ月後には学校生活に最低限必要なコミュニケーションが取れるようになっています。
当スクールのように月~金の毎日、子どもが日本語を学べる場は全国にほとんどなく、学校や自治体間で対応に大きな差があります。適切な学びの機会を得られるかどうかが、子どもたちのその後の人生に深刻な影響を与えています。
2)海外ルーツの子ども・若者に特化した教科指導
日本語で日常会話ができるまで1~2年。学校の勉強についていくには5~7年が必要と言われています。幼少期から日本で育っても、家庭内の言語環境によっては年齢相応の日本語が発達していないケースも多くあります。
このような子どもたちに配慮した算数・数学、国語、英語、理科、社会などの学習支援を受けられるようになります。
3)海外ルーツの子ども・若者に特化した高校進学指導
言葉の壁や各国の教育制度の違いから、外国人保護者が高校受験やその後の進路について適切に判断することは難しいものです。支援体制の地域間格差などもあり、海外ルーツの子どもの高校進学率は70%前後にとどまるのではないかとみられています。
高校進学準備クラスでは、日本語力・学力の向上を図りながら、保護者・本人への受験情報の提供、志望校の選定、面接指導など、合格まで手厚い伴走支援を受けられます。
これまでの事業成果
個人や企業からのご寄付により、2015年度~2018年度は計120名に奨学金を支給することができました。
今後日本で暮らしてゆくために欠かせない日本語力・学力の向上や、志望高校への合格(毎年約30名)などの成果が着実に出ています。
【奨学金受給者数】
2015年度:18名
2016年度:24名
2017年度:33名
2018年度:45名
2019年度:
2020年度: