私たちの取り組む課題
「女の子だから、そこまで大学受験、頑張らなくても良いんじゃない?」
「東京の大学に通うのはお金がかかるから、お兄ちゃんだけであなたは我慢してね。」
理不尽なステレオタイプで、無意識のうちに摘まれている興味関心の芽があります。
日本の高等教育におけるジェンダーギャップは深刻だと言えるでしょう。そもそもの大学進学率も長らく女子は男子より低いままですが、難関大に注目すると、学部生に占める女性の割合は東大・京大ともに20%程度、理系のみの東京工業大学に至っては13%です。その中でも、地方女子学生は地方特有の情報・意識格差という更なる壁に直面しなければなりません。
教育は将来の政治・経済の土台です。政治家や企業の管理職に難関大学出身者が多いなか、難関大学において地方女子が少ないままでは、ジェンダー格差や地域格差に理解の少ない社会の継続を許してしまいます。
しかしながら、当事者以外の共感を得ることが難しい課題だからか、首都圏女子学生とはまた異なる地方女子学生の進学選択に取り組んでいる団体が他にありませんでした。社会課題としての認知も希薄なため、私たちはパイオニアとして社会に変革を起こしていきたいという思いで活動をはじめました。
なぜこの課題に取り組むか
私たちは地方女子が抱える諸課題の抜本的解決に向けて、社会変革へのアプローチを目指します。そのために、Missionを大きく2つに設定し、さまざまな活動を行なっています。
Mission 1 - 地方女子の進学の選択肢を広げる
地方の女子学生ひとりひとりに長期的にロールモデルを提示し、女子学生のステレオタイプからの脱却、職業選択の幅の拡大を目指します。
Mission1達成のために、私たちは以下のプロジェクトに取り組んでいます。
1. メンタリングコミュニティ #MyChoiceProject
#YourChoiceProjectによる、地方女子高校生の学習・将来設計のサポートを目的とした、2年間の伴走型メンタリングコミュニティです。
メンタリングでは、生徒1人に対し現役女子東大生のメンターが1人つき、継続的な学習サポートを行います。月に1度の面談、Slackなどのツールを通じた質問・相談で生徒の学習に寄り添います。学習サポートは2年間継続して行われ、志望校に合格する力を着実に養います。
2. イベント開催事業
地方での単発イベントを複数開催しています。主に、女子中高生の進路選択の手助けを目標とし、社会人講師をお招きした講演やパネルディスカッションを開催しています(#MyChoiceProject内でもオンライン実施)。
「実際に東大で学んでいる女性の先輩がいるのだと知れて、私も頑張ってみようと思えた」
参加した生徒からはこのような声をもらうこともあります。
今後、各自治体と連携し、保護者のアンコンシャスバイアスの解消に向けたイベントを行なっていく予定です。
Mission 2 - 地方女子を取り巻く課題を社会化し、環境を変える
地方女子学生を取り巻くさまざまな課題は、まだ「社会問題」として認識されていません。地方女子が抱える周囲の理不尽なステレオタイプ、資源や制度上の不均衡を明らかにし、社会全体でこの課題に取り組み、変革していく土壌を作ります。
Mission2達成のために以下のプロジェクトに取り組んでいます。
1. 調査事業
地方女子学生を取り巻くジェンダーバイアスやステレオタイプを詳しく調査し、可視化して、社会に発信することを目指し活動しています。現在は、今後の調査結果公開に向けて、進路選択におけるジェンダーギャップ白書の発行、インタビュー調査をもとにした書籍の出版を予定しており、準備に取り組んでいます。
2. 政策提言
これまでには、大学寮・県人寮への女性受け入れ促進のための補助金制度のご提案をし、政策提言イベント「Policy Pitch」では最優秀提言賞を獲得しました。
現在は、女性版骨太の方針への「難関大女子比率向上」の目標数値の記載、保護者の方々へのアンコンシャスバイアスの解消に関する施策の実施などを提言するため、様々な政治家の方々にヒアリングを行いながら調整しています。
寄付金の使い道
#YourChoiceProjectが地方女子高生に質の高いメンタリングを提供しつつ、課題の社会問題化を図って本格的に政策提言に繋げていくには、継続的・安定的な資金が必要です。
ご寄付の具体的な使い道としては、
- メンタリングコミュニティ運営費(メンター謝金、イベント実施費・交通費)
- 調査・政策提言関連費用(制作費、広報費、デザイン委託費,交通費)
- 組織基盤強化費用(オフィス家賃、経理等管理その他)
より持続的に活動するためには、しっかり人件費も含めて予算規模を拡大する必要があると認識しています。
可能な範囲でご協力いただけますと幸いです。