私たちの取り組む課題



1、依存症の背景にトラウマを抱えた人たちが安全に豊かに暮らすための支援
ナイトケア「福祉ホーム」(宿泊施設) ・デイケア「生活訓練」「就労継続支援B型」(通所施設)
当施設では「ミーティング」「当事者研究」「グラウンディング」などのプログラムを行います。
仲間とともに自分自身への理解を深め、安全に生活していくための知恵を分かちあうためのプログラムです。
また、楽しいことをたくさん体験するため、レクリエーションや季節の行事を行います。
季節の行事は、メンバーによっては辛い思い出だということがありますが、
私たちは痛みを抱えながらも新しい思い出を積み重ねることを目指しています。
個別相談、就労支援では、ひとりひとりのニーズに合わせた支援を行います。
私たちは、依存症の女性たちが地域の中で安心して豊かに暮らせるようになるための応援団です。
仲間と共に新しい経験をすることで今まで気づかなかった自分の思いや、
自分の好きなことに出会ってほしいと願っています。
気づいたら生き方が変わっていた。そんな支援を目指しています。
2、母子の命を守る
「ママクローズドミーティング」・「子どもプログラム」
「ママクローズドミーティング」ではテーマを決めて、何を言っても批判しないという約束のもと、自分の思いを語ります。
「母子プログラム(通称子プロ)」では、手作りの食事会や、他の施設への外出、季節の行事を楽しんでいます。
依存症家庭に育つ子どもたちをとりまく環境は、経済的困窮、家庭内のもめごと、幼少期の母子分離、母親の不安定な精神状態など、
困難に満ちています。
また、母親自身も貧困や親の病気、被虐待など、困難に満ちた子供時代を過ごしていることが少なくありません。
その経験は壮絶で、よく生きてきたねと思わず声に出るような経験です。
子育ての途中には、子どもを通してその辛い経験がよみがえってしまうことがあります。
そうなると不安や不眠、パニック、うつ状態などの症状により、子育てが非常に困難なものになってしまいます。
ともすると、虐待や不適切な養育の連鎖につながりかねません。
私たちは依存症に悩む女性とその子どもの命を守るためには、母子プログラムが不可欠だと考えます。
こうした支援を通じ、私たちは依存症の再発や虐待の連鎖を予防することを目指します。
3、社会に伝える
・地域でのふれあい
就労継続支援B型では北区役所などの施設や公園などで製品の販売を行っています。
これは利益のためだけではありません。
地域の人々との交流を大切にして、依存症者へ向けられる視線が少しでも変わることを目指しています。
・ 活動の様子を公開(HP・インスタグラム・ニューズレター)
・書籍の出版・調査研究
・講演会
なぜこの課題に取り組むか



「ダルク女性ハウス」は1991年、薬物依存症に悩む女性の回復と自立を支援する日本で最初の民間施設として誕生しました。
当時は、アルコール・薬物など依存症の回復支援施設には男性向けのプログラムしかなかったため、女性の依存症者は施設につながっても効果を得にくく、
専門家からも「女性は回復しない」と言われていました。
そうした中で、アルコール・薬物依存症、摂食障害などからの回復者である上岡陽江(ダルク女性ハウス前施設長)をはじめとする、数名の女性回復者たちが、
「女性には女性に特化したプログラムが必要だ」との思いから立ち上がり、協力者や資金集めに奔走し、
下町に小さな家を借りてミーティングを始めることができました。
以来34年間にわたって活動を続けています。
ここを卒業した仲間が全国に広がり、自分がされたように仲間をサポートするという支援の輪が、設立から今日まで一貫して実践されています。
支援金の使い道



皆様からのご寄付は、母子プログラムの運営費として活用させていただきます。
★経済的基盤がほしい
生活訓練や就労継続支援は、障害者総合支援法に基づく施設であるため、国や自治体からの給付金という経済的基盤がありますが、
母子のプログラムはその対象外です。そのため、活動資金は助成金や寄付に頼っています。
しかし、助成金は新規事業や地域に広く開かれた事業を対象とすることが多く、私たちが応募できるものは僅かです。
また、助成金に採択されたとしても単年度のことが多く、継続・安定した経済的基盤とはなりません。
依存症の母親たちが安心してすごすには、小さくとも安全感が確保できる枠組みが必要です。
一般的な助成対象とはならないことを皆様に知っていただき、ぜひとも支援をお願いいたします
★支援金でこんな活動をしたい
1,思いを叶え、母子に素敵な思い出を作る
「テーマパークや遊園地にでかけたい」
「いちご狩りに行きたい」
「クリスマスにケーキとチキンを食べたい」
「日帰りバス旅行に行きたい」
些細なことかもしれませんが、当事者の母親にとってはどれもハードルが高いことなのです。
母親たちが子どもに生き生きとした体験をさせられないと悩んだり罪悪感にとらわれることのないよう、
これらのことを叶え、宝物になる思い出を作ってもらいたいと考えます。
2,専門家の智恵をかりる
母子プログラムの始まりから、スクールソーシャルワーカー、小児精神科医、児童福祉士に参加をお願いし、
おしゃべり会や食事会を開き、自然なかたちで相談ができるよう取り組んできました。
子どものことを自分ひとりで抱え込まなくてよいという安心感がそこにはあります。
こうした専門家への報酬を確保していくことが、安定した支援につながります。
3,利用者同士の交流を図る
子ども同士、親同士、そして自分の子どもではない子どもと関わることで、自分の子どもを客観的に見ることができます。
いつもとは違う我が子の一面を見たり、他の親から褒められている姿を見るなど、新たな発見がたくさんあります。
以上のように、子どもたちとその家族が安心して楽しく過ごせる時間と空間、マンパワーの提供、
母子のより良い関係性の構築のため、あたたかいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
あなたの支援が、子どもの笑顔、子どもの未来に確実につながります。

