事業の目的
わかちあいプロジェクトは、アジア、アフリカ、中南米など世界の国々の生産者が育てたコーヒー、紅茶、はちみつ、スパイス、砂糖などの商品を直接輸入して、日本で販売しています。
フェアトレードの目的は、世界に貧困を蔓延させている原因を取り除き、立場の弱い途上国の人々が自立した生活を送れるようになることにあります。裕福な人がより裕福に、貧しい人がより貧しくなるといった、不公平な社会システムを無くし、誰もが人間らしい生活ができる世界を目指しています。
従来の国際協力・資金援助は、援助する側の都合によって左右され、継続性に欠けるという問題点がありました。それに対しフェアトレードは、私たち消費者が自分の気に入った商品を購入することでできる、身近な国際協力のかたちです。フェアトレードは、発展途上国で作られた作物や製品を、適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活改善や、地域の発展を支えることができます。
わかちあいプロジェクトは、1993年春に、日本初の国際フェアトレードラベル認証商品であるフェアトレードコーヒーを販売して以来、様々なフェアトレード商品を紹介する役割を果たしてきました。それと共に国際協力NGOとして、1997年からタイ山岳民とスマトラのコーヒー生産者が、国際フェアトレードラベル組織の一員として認定されるようになるまで、支援してきました。その結果、両生産者とも、自分たちの力で世界の市場にコーヒーを販売できるまでに成長してきています。
売上高は多くはありませんが、品数では国内で最も多くのフェアトレードラベル商品を販売し、様々な地域の生産者の自立につなげているほか、日本でより多くの人にフェアトレードについて知っていただくよう、フェアトレードの普及に取り組んでいます。
■販売中のフェアトレード商品は、わかちあいプロジェクトのオンラインショップFair Selectよりご覧・ご注文いただけます。
■フェアトレードについて詳しくは、わかちあいプロジェクトのウェブサイトでご紹介しています。
これまでの活動
わかちあいプロジェクトでは、国際フェアトレード認証のコーヒー、紅茶、はちみつ、砂糖、スパイス、オリーブオイル、ワイン、コットン製品、シアバターコスメなど、様々なフェアトレード製品を輸入販売しています。また、フェアトレード認証原料を使用して、国内での製品開発にも取り組み、これまでに世界初のフェアトレードクレヨン（フェアトレードみつろう使用）、フェアトレード味噌・醤油・納豆（フェアトレード大豆使用）をはじめ、フェアトレードサイダーやマカロン、ミルクジェラートに、フェアトレードソープやリップクリームなどのオリジナル製品を送り出しています。
また、学校や会社、地域でフェアトレードの普及を目的としたイベントを実施される際には、商品や資料の提供で協力しています。一般の方が参加できるフェアや企業向けの社内販売会などのイベントに出展し、フェアトレードの普及に取り組んでいます。
これまでの事業成果
わかちあいプロジェクトのフェアトレードへの取り組みは、1992年8月にスリランカの有機紅茶を輸入することから始まりました。当時は有機栽培はまだめずらしく、 コクのある紅茶として皆様に大変好評をいただきました。当時の課題は、スリランカの茶園に、労働者が使用できるトイレを設置することでした。有機栽培のコンポストも十分に整備されているとは思えませんでした。
それから13年後の2006年には、フェアトレードによって得た収入で、有機栽培施設がしっかりと完備され、保育園6校、診療所3箇所などができ、医者、看護婦、保育士など70名以上のスタッフが、茶園の住民2300人のために働いていました。お茶園全体が整い清潔で、皆さん明るく、自信に満ちていました。以降も、茶園労働者とその家族が暮らす住居の建築、茶園で働く女性たちが安心して子どもを育てられる幼稚園・保育園・託児所の開設が実施され、継続的に運営されています。そして地域には小・中・高校や、専門性を身に付けるコンピュータースクールも設置され、未来へつなぐ教育が行われています。
また、1993年には日本にそれまでになかったフェアトレードの認証組織「トランスフェア・ジャパン」を設立し、1993年3月に、日本で最初のフェアトレード・ラベル認証オーガニックコーヒーとしてメキシコ産チアパス州のコーヒー「カフェ・マム」を発売しました。現在でも一番人気のオーガニックコーヒーです。
2004年には、各国それぞれのフェアトレード認証組織が集まり、世界で統一した基準を作ろうと、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade Labeling Organisation)が作られました。これに合わせて、日本でも、トランスフェア・ジャパンからフェアトレード・ラベル・ジャパンへと名称変更し、独立した認証組織としてNPO法人になりました。
わかちあいプロジェクトはその後も、フェアトレード製品の輸入販売を行う団体として、多くのフェアトレード商品を日本の皆さまに届けています。
事業の必要経費
国際フェアトレード認証製品は、世界１５０カ国以上で３万点以上の製品が流通し、市場規模は１兆円を超えています。
一方、日本で流通するフェアトレード製品は、大部分をコーヒー豆が占め、チョコレートやコットン製品、バナナ、スパイスなどが手に入るようになりましたが、市場規模は118億円と世界市場のわずか1%に留まっています。
わかちあいプロジェクトでは、世界各国の国際フェアトレード認証の原料や製品を、できるだけ数多く輸入し、日本の方々が購入しやすい価格で販売しています。そして、フェアトレードを日本で広めるための広報活動にも積極的に取り組んでいます。
