私たちの取り組む課題


「医療的ケア児が安心して旅行ができる環境の整備を通じ、病気や障害の有無にかかわらず、誰もが旅行を楽しめる社会の実現」をというビジョンの元、活動を進めています。
医療的ケア児は過去十数年で約2倍と急激に増加したため、社会的な支援制度(制度・設備)が十分に整っていません。地域住民の間でも医療的ケア児の存在を認識している人はまだまだ少なく、医療・福祉の従事者や特別支援学校の教員などに限られています。地域での認知が低い背景には、医療的ケア児を普段の生活では目にしない、接触する機会が少ないといった側面があります。
一方、医療的ケア児やご家族にとっても、呼吸器・酸素など携帯するためのバギーや車いすを利用していることが多く、大型であるため扱いが難しかったり、外出先でのおむつ替えについてもユニバーサルベッドが必要となるなど、外出が困難であるが故に、地域での認知が進まない、という負のサイクルが生まれています。
このことから、医療的ケア児とその家族は、外出や旅行がしづらく、一般的な家族よりも体験が不足したり、社会的に孤立しがちな状況にあります。
当団体は、「医療的ケア児が安心して旅行ができる環境の整備を通じ、病気や障害の有無にかかわらず、誰もが旅行を楽しめる社会の実現」をというビジョンの元、活動を進めています。
なぜこの課題に取り組むか



外出や旅行の支援は個人の娯楽・余暇の充実と紐づくため、公的な支援は入りづらい領域です。
外出時の支援を受けたい場合、旅先で介護ヘルパーを依頼したり、飛行機でのストレッチャー移動する場合は自費負担となり、経済的な余裕がない家庭は外出や旅行の頻度が下がります。
上記の状況に対し、在宅医療や訪問看護等の医療機関、児童発達支援や放課後等デイサービス等の福祉事業者など、一部の医療的ケア児と関わりのある医療者・福祉事業者は、利用者に対し、各自で外出や旅行の支援に取り組んでいます。
また、バリアフリーツーリズム(ユニバーサルツーリズム)に取り組む観光事業者も少しずつ増えてきていますが、この三者と当事者家族が交わる機会は少なく、各自の知見・経験は限られた環境の中でのみ共有される状況にとどまっています。
外出や旅行に関して、公的な支援制度の充実をするには財源的にも限界がありますが、各事業者・団体の持つ知見やノウハウを共有することで、参入者を増やし、民間事業者間で解決できる領域を拡大していきたいと考えています。そのためには、医療者・福祉事業者・観光事業者・当事者家族らが交流、情報交換しながら、相互理解をし、医療や福祉の制度を超えた支え合いの仕組みが必要と考えています。
寄付金の使い道



・医療的ケア児のおでかけ・旅行に役立つ情報の掲載
・お出かけスポット・宿泊施設の取材
・全国各地の医療的ケア児の外出・旅行支援をしたい医療・福祉・観光の事業者をつなぐオンラインの学びの場作り
・医療的ケア児のおでかけ・旅行に関するニーズ・課題調査
等に活用させていただきます。