私たちの取り組む課題
日本では、毎年約2500人の子供が「がん」と診断されており、子供の人口の約10,000人に1人が小児がんにかかっているといわれています。近年、徐々に治療環境の整備などが進められていますが、まだ十分といえる水準ではなく、治療法や薬の臨床研究においても他のがんに比べて遅れています。
また、小児がんを克服し、大人になってもがんの治療による成長の遅れや身体的障害などさまざまな後遺症を抱えている人も多く、就学や就労など社会で自立するための支援を必要としており、大人のがんと異なるさまざまな課題があります。(長期フォローアップの必要性)
小児がんのなかでも、血液系は約80%救命できるようになりました。一方で、固形腫瘍は、いまだに救命率が50%から60%と言われています。その中でも小児脳幹部グリオーマは、診断と同時に「余命1年」と宣告され、国内年間約40~70人の命がなす術も無く失われ、まずは命を取り留める治療法確立が急がれます。
血液系・固形腫瘍ともに大人と子供の腫瘍細胞組織性質が違うので、研究の枠を しっかり小児と区分けして、平等に行ってもらいたいと思っております。大人のがんと比べ、子供のがんは、患者数が少なく、使う薬量も少ないので、製薬会社が率先して行う、企業治験はとても少ないです。
研究者が少ない、患者数が少ないなど、「出来ない理由」は多々あるようですが、世界基準で、そのような疾患に侵された子供たちを救うには、そこを どう増やすか、どう補うか、どう集約するか、どう拠点病院を有効活用できるか、そのすべてを、どうするか、考え 構築するかは、我々 大人の役目ではないでしょうか。
現在の医学では治らない病気の治療法確立はもちろんですが、小児医療制度の環境整備など、努力で改善できることも多くあります。小児がんの子供たちは声をあげることが出来ません。未来を背負う、子供たちの為にも、我々 大人が声をあげ、一日も早く、笑顔で暮らせる社会を作れたらと願います。
なぜこの課題に取り組むか
小児脳幹部グリオーマは、脳の中枢にある脳幹(のうかん)に悪性腫瘍が発生する病気で、最も過酷な難治性小児がんです。生命維持にとって重要な神経が集まる脳幹にメスを入れての摘出手術は、神の手を持つと言われる、優れた脳外科医にも不可能であり、また抗がん剤も効果はありません。現在の医療技術では世界でも決定的な治療法がありませんが、それ以前に、日本ではこの病気に関する研究がほとんど進められておりません。この現状を変えるため、関心の強い医師や研究者が増えることを目指しています。
そして、この活動を通じて、今まで明かされなかった子どもの脳腫瘍研究体制や末期療養の為の支援を、各専門家のトップリーダーと共に協力し、そして国が一体となって、この問題に取り組むことを願います。そのような経緯から、余命一年の子どもたちを救う為に有志が結集し、課題解決のために取り組んでおります。
寄付金の使い道
当会の寄付金の使い道は、以下の活動のために大切に使わせていただきます。
(1)難治性小児がん「小児脳幹部グリオーマ」の治療研究・薬剤開発・緩和ケアの推進
(2)小児がんに関わる政策提言、課題解決の為のイベント開催及び協力
(3)小児がん等で亡くなった子どもたちの啓蒙及び施設運営
(4)小児がん経験者や医療的ケア児と、その保護者への就労支援
(5)リユースにおける寄付品や商品買取による販売事業
(6)がん患者へのアピアランスケアの促進及び支援
(7)病院・児童養護施設への支援活動
(8)宿泊施設の運営
(9)その他当法人の目的を達成するために必要な事業