私たちの取り組む課題
日本には経済的困窮や親の入院、虐待など、様々な理由で実親と離れて暮らす子どもが、約5万人います。鳥取こども学園は、そうした子どもたちを預かり、家庭に代わって養育している施設です(これを児童養護施設といいます)。
私たちは1906年の創設以来、常にそういった子どもたちに寄り添いながら、全国でも先進的な取り組みを続けてきました。
たとえば21世紀に入ってから、国は施設の小舎(ひとつの建物の中で暮らす子どもの数が12人以下である児童養護施設)化を基本方針として推進しています。しかし鳥取こども学園が小舎による生活を支援の柱としたのは1962年のこと。1973年には全国に先立って完全小舎化を実現しています。
それは小舎での生活が、単に物的環境としてだけでなく、人的環境としても子どもの心に安らぎを与えること、そして、親から離れて暮らさなければならない悲しみを癒やすのに最適であるということを、長年の経験から理解しているからこそできたことです。
その後も、ともに暮らす子どもたちの変化に応える形で児童心理治療施設や乳児部などを開設してきました。他にも里親支援機関をはじめとした様々な施設機能をそなえており、それらの総合的・統合的な連携により子どもの人権を護る砦でありたいと願っています。
なぜこの課題に取り組むか
また、私たちは「子どもと出会ったら一生の付き合い」だという思いを持って子どもと関わっており、実際に多くの卒業生たちと一生の関わりを続けています。社会に巣立った子どもたちにとって学園が、いつまでも心の故郷であってほしいと願っているのです。
子どもの社会的自立は、施設の重要な目標のひとつです。しかし子どもの社会的自立において、施設入所期間中にできることは限られています。社会に出てからが勝負です。そして社会に出た子どもたちをフォローするためには、入所期間中にいかに子どもと繋がれるかが重要になります。そのためにも、職員は日々子どもたちとの丁寧なコミュニケーションを心がけています。
寄付金の使い道
鳥取こども学園は、創立以来、たくさんの方々からのご支援をいただき、施設運営のために使用させていただいています。
まだ制度が整っていない取り組みを子どものための行っていくと、国や地方自治体からのお金を得られずに支出がかさむことが少なくありません。また、子どもたちとの丁寧なコミュニケーションを行える人材を維持するためには、ある程度の人件費が欠かせません。
皆様からの支援は、子ども最優先の施策を躊躇なく打ち出すことの支えになります。皆さまからのあたたかなご支援を、心よりお待ち申し上げております。