私たちの取り組む課題
声を上げにくい社会
日本では、「政治や社会のことについて一個人が考えを述べること」に対して冷たい目があるように思います。友達にまじめな話をしたら引かれてしまうかもしれない、SNSで声を上げたら叩かれるかもしれない、などと考えるとなかなか勇気が出ないけれど、仕事や恋愛の話と同じように社会の話をできたらいいのにと思っている人は多いのではないでしょうか。
一方で、選挙のたびに問題視される若者の投票率の低さを見ると、声を上げてもどうせ変わらないだろうという諦めや、そもそも考え方が分からないといった人も多そうです。
このような状況を見て思うのは、あらゆることの「学び方」を習ってきていないことが問題なのではないかということです。学校の授業では、選挙の仕組みは習っても政党の選び方は教えてくれません。「おかしい」と思ったことがあっても、それに対する声の上げ方も習っていません。
声を上げにくい社会を少しでも改善し、私たちの声が反映される社会をつくるためには、幅広いテーマについて「本当に学びたいこと」を学べる場が必要です。
私たちは、学び方を習わないまま大人になってしまった自分たち自身のためにも、「本当に学びたいこと」に誠実に、あらゆるテーマについて安心して学べる場をつくっていきます。
なぜこの課題に取り組むか
シブヤ大学は、誰もが自分の意志で自由に学べる機会をつくるため、授業料を無料としています。また、入学試験も、テストも成績もありません。純粋に学びたい気持ちだけが集まった場では、年齢や性別、仕事の肩書きは関係ありません。
このようにフラットに議論ができる学びの場は、普段は話しづらいことや一人では学ぶのが難しいことを誰かと一緒に学び、同じ関心を持つ仲間に出会う可能性を持っていると、私たちは考えています。
また、シブヤ大学の授業は、多くのボランティアスタッフによって企画・運営されています。シブヤ大学が設立からずっと大切にしている「自分が一人目の生徒として学びたい場をつくる」ことは、社会に対して声を上げること、同じモヤモヤを持つ人たちに対して旗を揚げることにもつながるはずです。
「本当に学びたいこと」を学べる場を自分たちの手でつくることが、声を上げにくい社会を変える一歩になると信じて、日々活動しています。
寄付金の使い道
いただいた寄付金は、全額シブヤ大学の団体運営費(スタッフ人件費、会場費、WEBサイト運営費、講師謝礼など)として活用させていただきます。