私たちの取り組む課題
私たちは4つの重点分野で、社会の様々な制度や仕組みから「取り残された人々」を支援しています
1.子どもの今を支え、明日を守る
子どもの権利、子どもたちの健やかな成長を守るため、「児童労働」や言葉や地理的条件により不利な立場にいる子どもたちの「教育」の問題解決に取り組んでいます。
- バングラデシュの家事使用人として働く少女への支援
- バングラデシュの取り残された子どもたちへの初等教育支援
- ネパールの地方部における児童労働削減支援
2.災害に強い地域をつくる
災害時、特に被害を受けやすい地域や弱い立場にいる人々の防災・減災力を高めるために、住民全体の意識を変え、自治体がきちんと機能するように働きかけます。
- ネパールの洪水が多い地域での防災支援
- バングラデシュのサイクロンが多い地域での防災支援
3.社会からの孤立を防ぐ
コミュニティとの接点がなく社会から孤立してしまう人々に寄り添った活動を行います。現在、日本在住の外国人、南アジアの若者への支援を主に行っています。
- 在住外国人を取り残さない共生社会づくり
- バングラデシュの青少年グループをチェンジメーカーとした気候変動対応事業
4.市民同士のつながりを促す
フェアトレード活動を通じ、作る人、使う人をつなげる活動のほか、社会課題に取り組む市民、グループなどが学び、刺激し合う場の提供を進めています。
- フェアトレード活動「クラフトリンク 」
- 不要品を寄付に変える「ステナイ生活」
なぜこの課題に取り組むか
私たちの約束
SLOGAN
「取り残さない、その小さな声を。」
戦争や大規模な自然災害など、多くの人々を苦しめる事件の裏で
日々の暮らしそのものに困難を抱えている人がいます。
そういった声なき声をすくい上げ、一緒に感じ、考え、行動し
少しでも明日に希望が持てるよう、ともに歩んでいくこと。
それがシャプラニールの考える「誰も取り残さない」という精神です。
私たちは2007年の中期方針から、社会的に光の当たりにくい場所にいる人々を「取り残された人々」という言葉でその存在を明文化し、南アジアでそうした状態にある人々や課題へ近づくための一層の努力を掲げてきました。
しかし、私たちを取り囲む環境は変化し、貧困問題はもはや途上国だけのものではなくなっています。
支援活動に携わる者もそうでない者も、関心を持ち、想像力を働かせ、地球市民として一人ひとりが課題を自分ごととして捉えていこう、そのような想いを込めています。
私たちの価値観
私たちは「貧困のない社会を目指す」ために、1.子どもの権利を守る(初等教育の普及、児童労働への取り組み)、2.災害に強い地域づくり(防災)、3.社会からの孤立を防ぐ(コミュニティ)、4.市民同士のつながりを促す(フェアトレード、ボランティア)の4つの柱を中心とした取り組みを進めていますが、長い経験の中から培われた「5つの価値観」を常に意識しながら活動しています。こうした気づきを広く伝えていくことも、私たちの役割のひとつだと考えています。
【1】「援助」をしない
貧困や差別・抑圧の問題は、世界や社会のあり方にその根をもっており、それを分析するには幻想や思い込みを排除した事実に立脚する必要がある。活動を行うにあたっては、常に問題の構造や原因に対し、その解決につながる方法を当事者がみずから考える支援のあり方を重視する。単純に財やサービスを供給するだけにせず、問題の根本的な解決を目指すという意味。
【2】自らの解決を促す
海外活動の現場においては、問題を抱えた当事者およびそれを取り巻く周辺の人々が主体となること。すなわち、彼/彼女らあるいは現地パートナー等の組織が自ら問題を解決すべく活動することを重視する。また、シャプラニールはこうしたプロセスを、外部者かつ媒介者として支援する。当事者主体、当事者のエンパワメント、の考え方。
【3】みんなで考える
社会課題を解決するために、対象とする課題の構造や原因に深く関わっている多様な当事者の存在を認識し、そうした個人や組織への働きかけを強化する。地域や社会全体が変わらなければ根本的な課題解決はできない。周辺への働きかけを常に意識する。
【4】現場から学ぶ
社会の変革を目指すためには、政府や市民に向けたアドボカシーが必要である一方、そこで伝えるメッセージが現場のリアリティとかい離してはいけない。我々は常に現場を持ち、そこで得られる現実的な視点をもって社会全体へ発信していく。
【5】誰も取り残さない
経済的な貧困、社会的な差別、地理的な格差等何らかの制約により、地域・社会の中で周辺化されてしまう人々、あるいは国や行政が持つ社会保障制度や、NGO等による支援策等にアクセス・活用できない人々が必ず存在する。我々が活動する際には、こうした人々の存在を常に意識し、優先して取り組む。また、社会的に認識されず顧みられていない課題等への視点も忘れない。
寄付金の使い道
いただいたご寄付はバングラデシュ、ネパール、そして日本の人々の支援のため、以下のような活動に大切に活用させていただいています。
◆バングラデシュで家事使用人として働く少女支援
バングラデシュにヘルプセンターを設け、基本的な読み書きや家事の仕方、生活改善に必要な知識の習得を支援します。また、雇い主への家庭訪問と地域住民への意識啓発を行うことにより、少女たちを取り巻く人々の行動変化を促していきます。
少女たちへの支援活動に加え、少女たちの現状を広くバングラデシュ社会に訴えて行く事業を計画しています。問題意識を同じくするNGOや国際機関との協働、政策決定者に対する働きかけ、マスメディアなどを通じた企業や市民の巻き込みを目指しています。
◆ネパールの洪水・土砂災害が多い地域での防災支援
社会開発から取り残された民族の多く住む山間部では、2015年のネパール大地震で高まった土砂崩れの危険と人々の生活の脆弱性を減らすため、地域、行政の防災能力を高めています。また、ほぼ毎年洪水の起きる河川の流域にある集落全体で防災計画を立案し、地域住民や行政と協力して防災インフラを設置しています。行政への研修を行うなど防災能力を高める活動も行っています。
◆在住外国人を取り残さない共生社会づくり
日本に住む外国人は増加し、長く日本に住む人びとも増えています。共に社会を構成する仲間ではあるものの、社会との接点が限定的で、行政サービスや地域から孤立している人が多くいます。そのためシャプラニールでは東京都 新宿区において、孤立や生活課題を抱える在住外国人が必要な情報等にアクセスできるよう支援を行うとともに、在住外国人と地域住民とがつながり、地域で助け合いができるような場づくりをします。また、地域で得た学びを広く社会に発信していく活動も併せて行います。