私たちの取り組む課題
エイズ孤児とは『エイズによって片親もしくは両親を失った18歳未満の子ども』をさし、2018年の時点で全世界に1,220万人いると言われています。
エイズ孤児のうち多くがサハラ砂漠以南のアフリカ地域におり、PLASが活動するウガンダ・ケニアのエイズ孤児の数は各国50万人以上にのぼると推計されています。
エイズで親が亡くなった後、片親または祖父母に引き取られ育てられるケースが多くありますが、稼ぎ手を失ったり祖父母が高齢のため、子どもが働いて家族を支えていくことを強いられてしまうことも少なくありません。
地域住民に引き取られたエイズ孤児は、引き取り先で差別を受けたり労働を強いられたりして、学校へ通い続けることができないケースもあります。
エイズ孤児は、健康、教育、医療、精神的負担など多様な面で困難に直面し、貧困の連鎖からも抜け出すことが難しい状況に置かれています。
なぜこの課題に取り組むか
「自分は生まれてこないほうがよかった。エイズで親が死んだのは自分が悪い子だから。」
心を閉ざし、自分を責めるエイズ孤児。
2005年、そんなエイズ孤児たちに出会い「こんな状況はおかしい」という思いでPLASは設立されました。設立以来、現在はエイズ孤児だけでなく、さまざまな困難な状況に置かれた子どもたち、そしてその子どもたちを支える保護者を支援しています。
”支援の届きにくいアフリカのラストワンマイルの子どもたちが将来に希望を持ち、笑顔になってほしい。”
そのために私たちは活動を続けています。
寄付金の使い道
お預かりしたご寄付は、ウガンダとケニアで実施する「生計向上支援」と「ライフプランニング支援」をはじめとした子どもたちのための様々な活動に大切に使わせて頂きます。
生計向上支援とは
子どもたちを支える、主にシングルマザーの保護者のために、スモールビジネスの立ち上げと伴走支援を実施しています。
例えば、
- 村の中で小さなカフェを開業する「カフェビジネス」
- 農作物を栽培して販売する「農業ビジネス」
- 鶏を育て肉や卵を販売する「養鶏ビジネス」
などスモールビジネスを立ち上げるための初期投資と研修、開業後のフォローアップ支援を届けます。
シングルマザーが自分たちの力で収入を得て、生計向上していくことによって、子どもたちも継続的に学校へ通うことができるようになります。
ライフプランニング支援とは
前向きな将来を計画するためのキャリアカウンセリングを、現地で育成したカウンセラーたちが、子どもと保護者それぞれに届けています。
子どもたちへのカウンセリングでは、
- 将来の夢を見据え、目標に近づけるようなキャリア計画を立てる
- 地域で職業に就いて活躍している大人たちの話を聞くキャリアトークに参加
- 小さな子どもたちに絵本の読み聞かせをする活動
- 地域での清掃ボランティア
などを実施していきます。
子どもたちは、地域の中で誰かのために役立つ経験を通して自己効力感を育み、前向きな未来を描くことができるようになります。
保護者へのカウンセリングでは、
- 子どもの気持ちに寄り添いながら成長・発達を後押しするコミュニケーション
- 進学に向けた情報提供や、勉強のサポート方法
- ビジネスの立ち上げ方、支出入の管理方法や貯蓄の方法
- リプロダクティブヘルス・性教育の知識と、子どもへの伝え方
など、子どもを支えるための必要なスキルや情報を身につけていきます。
ライフプランニング支援を受けた母子は進学や将来を具体的に考えることができるようになり、保護者は子どもの将来のために教育費の支出に積極的になります。
同時に生計向上支援を受けることによって、貧困から経済的自立へステップアップしていくことができるのです。
これら「生計向上支援」と「ライフプランニング支援」の両輪で子どもと保護者を支えるプログラムを”PLASメソッド”と呼び、私たちはこれをラストワンマイルに届けています。