私たちの取り組む課題
乳幼児子育て中には、外出そのものが難しくなることがたびたび起こります。
子育て中の親子が気軽につどい、相互交流や子育ての不安や悩みを相談できる場所として、
全国には子育て支援センターや子育てひろばなどの地域子育て支援拠点が7,856ヵ所設置されています。(2021(令和3)年現在)
そこでつながることのできる子育ての仲間や子育て支援者の存在は、多くの親にとってとても心強いものです。
けれど、悪天候で/自身や子どもの体調不良で/交通の事情で/子どもの人数に対して大人の手が足りなくて・・・・・・
さまざまな理由で、<一歩外に出て、つながる>がどうしてもできないということが、いつでも、どの親子にも、起こるのです。
やむなく外出をあきらめ、子どもと自分だけで自宅にこもるしかない。
こういった状況ではいつも以上に子育ての不安や孤立感が高まりやすくなります。
乳幼児子育て中の親から聞こえてくる「孤独な気がしてしんどい」「こんなに悩んでいるのは私だけかも」といった苦しい声は、
コロナ禍で外出自粛になる以前から、そしてコロナ禍の明けた今も、途切れることはありません。
今こそ誰かとつながりたい。なのに、つながれない。
全国の乳幼児親子が抱えるこんな現状を打破するため
私たちはコロナ禍以前の2018(平成30)年にオンライン専門の子育てひろば「ママこぺる」を開設しました。
日々、全国各地の乳幼児親子がそれぞれの自宅から画面越しに集まって、子育て仲間や支援者とつながっています。
なぜこの課題に取り組むか
ネットが頼りになる。ネットが焦りになる。
インターネットやSNSの普及にともない、私達は知りたい情報を簡単に手に入れることができるようになりました。
出産前後や乳幼児子育て中には、分からないことや不安なこと、知りたいことが次から次へと出てきます。
こんなとき、インターネット上で得られるさまざまな情報やつながりは大変頼りになります。
けれど一方で、洪水のようにあふれる大量の情報を前に、困惑している人が多いのも確かです。
ひとたび検索を始めるとキリがなくなってしまったり
いろいろな人がそれぞれの立場から発信したことが流れ込んできて混乱したり
誤った情報や偏った情報、宣伝のために不安を煽るような情報に不安になったり、焦ったり・・・。
親子にとって安心できるオンラインの子育てひろばを。
外出できない場面の多い乳幼児親子にとって、インターネットは力強い味方のはず。
なのに、ネット情報で不安になったり焦ったりと、子育てを苦しくしてしまう一面もある。
そんな現状を鑑み、私たちはオンラインでの子育て支援を始めるにあたって
「親子にとって安心できるオンラインの子育てひろば」をつくろうと決意しました。
リアルな子育てひろばのように人と人とが顔を合わせたコミュニケーションが取れて、
親子の絆づくりを大切にした、エビデンスに基づく情報とあたたかい時間が流れていて、
オンラインならではの新しい距離感で、全国各地の子育て仲間や支援者とつながれる・・・。
そうして生まれたのが、私たちの運営するオンライン子育てひろば「ママこぺる」です。
2018(平成30)年の設立当時から、ビデオ通話アプリ(Zoom)を使って
<リアルタイムで、顔を合わせて>をモットーとして運営を続けてきました。
オンライン子育て支援が当たり前に受けられる社会へ。
新型コロナウイルス感染症の影響で2020(令和2)年以降、
自宅にいながら安心して受けられるオンライン子育て支援のニーズが高まりました。
これを機として、全国の自治体や支援団体でもオンラインによる子育て支援の取り組みが徐々に広がっています。
私たちは全国初のオンライン子育てひろばの運営者として
これまでに培ってきた乳幼児親子を対象としたオンライン開催特有の留意点の周知・理解やルール作りについて
多くの自治体、支援団体の皆様にそのノウハウやスキルをお伝えしてきました。
私たちの運営するひろばだけでは、全国の親子にオンライン子育て支援を届けることはできません。
オンライン子育て支援の認知度の向上と支援の拡充を通して、
より多くの親子に外出困難を越えて子育て仲間や子育て支援につながってほしい。
そして子育ての不安や孤立感を一人で抱えずに済む、子育ての喜びや楽しさを一層感じられる社会にしたい。
今後も、自治体や地域の子育て支援団体等と連携しながら、オンライン子育て支援の輪を広げていきます。
【これまでの受賞・メディア掲載】
●2020年9月
J:COM「つながるNews」で当会代表理事・副理事にインタビューいただきました
●2020年10月
月刊「赤ちゃんとママ」2020年10月号にて当協会の取り組みについてご紹介いただきました
●2020年9月
共同通信社にて当協会の取り組みについて記事を配信いただきました
●2020年11月
神戸新聞にて2020年11月11日・社会面に記事を掲載いただきました
●2021年2月
ムック本「AERA with Baby 解決!子育ての基本の悩み」にて「ママこぺる」をご紹介いただきました
●2021年11月
厚生労働省主催「第10回健康寿命をのばそう!アワード(母子保健分野)」にて「子ども家庭局長賞 団体部門 優良賞」を受賞いたしました
https://sukoyaka21-data.jp/search/projects/2619
●2022年3月
内閣府委託調査研究「仕事と生活の調和推進のための調査研究~仕事と子育て等の両立を阻害する慣行等調査~」にて
子育てに関する悩みのオンラインの相談窓口として「ママこぺる」をご紹介いただきました
https://wwwa.cao.go.jp/wlb/research.html
●2022年6月
NHK「あさイチ」にて「ママこぺる」の開催の様子をご紹介いただきました
●2022年10月
月刊「赤ちゃんと!」にて当協会の取り組みについてご紹介いただきました
●2023年8月
「令和5年版 厚生労働白書(令和4年度 厚生労働行政年次報告) ―つながり・支え合いのある地域共生社会―」にて
オンラインによる子育て交流・専門的な支援を実践している事例として、当協会の取り組みについて掲載いただきました。
寄付金の使い道
寄付を必要としている取り組みについて
私たちが運営するオンライン子育てひろば「ママこぺる」では、大きく3つの事業を展開しています。
① 子育てひろば
親子のふれあい遊びや交流、子育てに関する知識や情報等の提供、相談、
リフレッシュ(親子ヨガ・ベビーマッサージ・演奏会等)など、子育て仲間と気軽に出会える場を提供
② 子育て支援プログラム
「産後1〜4ヶ月ママのためのプログラム」「復職ママのためのプログラム」など、
保育士や臨床心理士などの専門家の下、特定の対象やテーマで固定メンバー(8〜12組)による連続プログラムを開催
③ 子育て相談室
子育てに関わるさらに深い悩みや疑問を臨床心理士や助産師、保育士などの有資格者と1対1で相談できる場として開設
これらの事業を行うにあたり、私たちは以下の目標・課題を掲げています。
皆様からの寄付はすべてこれらの目標・課題の解決のために事業資金・運営資金として大切に活用させていただきます。
●ひろば参加料無償化の継続
2020年3月より、子育てひろばの参加料を無償化しました。
これは新型コロナウイルス感染症の影響で地域の子育て支援施設の閉鎖や利用制限が行われ、
オンライン子育て支援のニーズおよび緊急性が高まっていたことを機としたものです。
これにより、どの親子も金銭的負担なくオンライン子育て支援につながることが可能となりました。
●ひろばの日常的開催の継続および拡充
外出困難など乳幼児親子の日常的なニーズにこたえるため、月数回のイベント的な開催ではなく日常的な開催を行っています。
2023年9月現在は週3〜4日のペースでの開催を継続しています。
●スタッフの専門的トレーニングの継続
全てのスタッフが乳幼児に対する安全面の確保など専門的なトレーニングを受けた上で最新の注意を払いながらひろばの運営をしています。
安心して参加できるひろば運営を継続していくために、更なる研鑽や新規スタッフへの教育を計画しています。
●子育てに関する各種専門家の招聘
子育てに関するさまざまな知識や情報等を適切に提供するためには、
助産師や保育士、臨床心理士など各種専門家からの協力が欠かせません。
利用いただいている乳幼児親子のニーズに応じて、今後も各種専門家の招聘を行っていきます。
●子育て支援プログラムの拡充
2023年9月現在、子育て支援プログラムは2〜3ヶ月に1度の参加者募集により実施されています。
募集回数が少ないため、より多くの親子に子育て支援プログラムを受けていただけるよう開催数を増やしていくことが課題です。
また、出産前から受けられるプログラムなど、新しいプログラムの開発も検討しています。
●子育て相談室の拡充と相談料補助
子育て相談室では2023年9月現在、3職種・4名の有資格者によって相談を受け付けています。
多様な子育てに関する悩みに寄り添っていけるよう、さらに職種と人数を増やしていくことが課題です。
また、現在は利用者から相談料をいただいていますが、金銭的負担を少しでも軽くして相談のハードルを下げられるよう、
相談料の補助を行っていくことも検討しています。
また、私たちはオンライン子育て支援の普及・発展のための活動も行っています。
より多くの自治体や支援団体にオンライン開催のノウハウや支援者としてのスキルなどが学べる研修や講座をお届けし、
安心できるオンライン子育て支援を受けていただけるよう尽力してまいります。