私たちの取り組む課題
発達障害、精神的な困難、家庭環境からくる心の傷……。これらは外からは見えにくい「見えない障害」として、多くの若者たちが社会の中で孤立してしまう現状があります。
厚生労働省と内閣府の最新調査によれば、日本全国には約75万人の引きこもり状態の若者(15~39歳)がいるとされています。さらに、15歳~64歳では約146万人もの方が引きこもりに該当すると推計されており、その多くが国の制度の「隙間」に入り込んでしまい、必要な支援に手が届かず、孤立を深めています。
私たちは、そうした見えない障害を抱えながらも、国の支援から取り残されてしまっている若者たちが、一人でも多く社会との繋がりを見つけられるよう、サポートしていきます。
なぜこの課題に取り組むか
社会から取り残されている方々の6割以上が「社会の役に立ちたい」と強く願っているにもかかわらず、その思いを実現できていません。これは、彼らが挑戦できる環境と、その挑戦を後押しする環境の両方が不足しているためです。
私たちは、この二つの環境を整備することで、孤立している若者たちが未来へ力強く一歩を踏み出せるよう支援すべきだと考えています。
彼らの中には「何かしたい」という漠然とした意欲があります。私たちはその思いを丁寧に汲み取り、それぞれの得意な分野で活躍できるよう、具体的な活動へと形にしていきます。これにより、「役に立てた」「認められた」という肯定的な評価が生まれ、それが自信へと繋がっていくでしょう。
若者たちが社会で活躍するためには、自ら考えながら活動を進め、時には伴走してくれる環境と、小さな成功体験の積み重ねが不可欠です。また、たとえ失敗しても何度でも再挑戦できるようなバックアップ体制を整えることが極めて重要だと考えています。
支援金の使い道
皆様からお寄せいただいた寄付金は、ONE HEARTの活動理念に基づき、見えない困難を抱える若者たちの「やりたい」を形にし、社会との繋がりを育むための具体的な活動費用として、大切に活用させていただきます。
主な使途内訳:
1)若者への直接的な活動支援費 (約60%)
- セラピードッグ訓練関連費用: 候補犬の飼育費(餌代、医療費、保険料など)、専門トレーナーによる訓練費用、訓練場所の確保費用など。
- 「ものづくり」活動支援費: 若者の才能を活かすための材料費、工具購入費、制作場所の確保費用、作品発表の場(展示会など)の費用など。
- 個別の学習・体験活動費: 若者の興味や特性に応じた外部講座受講費、資格取得支援費、社会見学や職場体験の交通費・参加費など。
- 心理的サポート費用: 必要に応じた専門家(カウンセラーなど)によるセッション費用の一部補助。
- 交通費・食費補助: 活動参加のための交通費や食費で経済的に困難を抱える若者への補助。
2)活動運営費 (約30%)
- 活動拠点維持費: 若者たちが安心して活動できる場所の賃貸料、光熱水費、通信費など。
- 広報・啓発活動費: 活動報告書の作成・印刷費、ウェブサイト運営費、イベント開催費、リーフレット作成費など。より多くの方に活動を知っていただくための費用。
- 備品購入費: 活動に必要な事務用品、清掃用品、簡易的な家具、安全対策用品など。
- ボランティア支援費: 活動を支えてくださるボランティアの方々への交通費、謝礼(一部)、保険料など。
3)将来的な活動拡充のための積立金 (約10%)
- 「小さな実践の場」の創出(例:若者が運営するカフェや工房など)に向けた初期投資資金。
- より専門的なサポート体制を構築するための人材育成費用。
- 緊急時の予備資金。