事業の目的
10月のある日、1本の連絡が入りました。
「ケージに閉じ込められて汚物まみれになっている猫がいるので助けられないか…」という内容した。連絡をくれたのは、ケージに閉じ込められた飼い主さんのお知り合いの方でした。
一緒に送られてきた写真を見て、メンバーはみな絶句しました。
すぐに汚物まみれになってしまった猫をレスキューしたのですが、病院の検査で『糖尿病』が発覚しました。猫の糖尿病は長期的な治療が必要な疾患です。日々の血糖値の測定管理、1日2回のインスリン投与、医療食によるフードコントロール、定期的な通院…。
それでも「家猫と同じレベルの医療を受けさせる!」「いつか家族を見つけてあげられるように!」という思いで、当会で保護をすることを決めました。
ノルウェージャンの血が混ざっていることから「ノル」という新しい名前をつけました。
これまでの活動
【10月1日】
飼い主さんの知人の方からのご連絡で、飼育放棄の猫+同じ家で飼われていた猫×2匹の合計3匹をレスキュー。
【10月2日】
初期医療にかけさせてから、それぞれの預り宅へ移動。
ノルの体重は3.8kgしかなく、ガリガリで骨と皮だけの状態。
糞尿で身体は汚れ、とても酷い状態だった。
【10月6日】
ノルの糖尿病が発覚し、治療を開始する。
糖尿病の治療状態を見るフルクトサミン数値は557と「不良」状態。
毎食前に血糖値の測定、毎食中にインスリン投与、毎日の体重測定とそれらの記録を行う。
インスリンの量は「1」から治療開始。
【10月27日】
糖尿病治療開始してから1回目の通院。
フルクトサミン数値は428と「可」状態に改善。
体重は4.4kgに増加。
尿検査では尿から糖の排出を確認。
インスリンの量が「1.5」に増加する。
【11月7日】
糖尿病治療開始してから2回目の通院。
治療開始から1ヵ月経過。
フルクトサミン数値は382と「良」状態に改善。
体重は4.4kgと変わらず。
血糖値が安定しているので、毎食前の血糖値測定が不要になる。
【12月4日】
糖尿病治療開始してから2回目の通院。
治療開始から約2ヵ月経過。
フルクトサミン数値は391と「良」状態のまま。
体重は4.8kgに増加。
身体の肉付きが目に見えてよくなり、ほぼ適正体重になった。
【1月16日】
フルクトサミン数値を300以下にするため、インスリンの量を「1.7」に変更。
【4月14日】
体重が5kgを越えて安定してくる。
インスリンは相変わらず「1.7」固定。
軽い胃腸炎を起こし投薬治療を行い改善するも、便がややゆるい状態が続く。
これまでの事業成果
【ノルと一緒に保護されていた2匹の猫について】
2匹とも健康状態に問題はなかったため、当会による譲渡会に参加しました。
1匹は10月の譲渡会で申し込みをいただき、そのままトライアルからの正式譲渡へ。
もう1匹も11月の譲渡会でお申込みをいただき、12月に正式譲渡となりました。
【ノルについて】
10月1日に保護してから、同月6日に糖尿病の治療を開始。
治療は順調に進んでいるところですが、引き続きの継続治療が必要。
体重は3.8kgから増減を繰り返しながら、最高5.3kgを記録。
譲渡会参加と新しい家族を見つけることを目標に、じっくりと療養を続けています。
事業の必要経費
猫の糖尿病には継続的な医療費が発生します。
明確な金額については猫の病状によって異なりるためあらかじめ算出することはできないのですが、某ペット保険によると猫の糖尿病の治療には年間30万円程度がかかるそうです。
主な経費の内容は以下の3点です。
・定期的な通院の病状確認と検査
・インスリンや注射器代
・食事療法のフード代
・トイレシート(多尿のため消耗が非常に多い)
食事についてはロイヤルカナンの糖コントロール(ドライ26g/ウェット1パウチ)を1日2回食べています。
口内環境が悪く出血や口臭があるため、デンタル系のサプリを毎日服用しています。
当会へ頂いたご寄付から治療費を捻出しております。
フード、消耗品については、頂いた支援物資と足りない分については預かり主が負担しています。