私たちの取り組む課題
子どもの貧困が「7人に1人」と言われている日本。ひとり親家庭については、「2人に1人」が貧困という非常に深刻な状況です。
特にシングルマザーは、ダブルワークやトリプルワークなどで生計を立てている非正規雇用が多く、子育てをする十分な生活費を得ることが難しい状況です。
また、親御さんと関わる時間がない子ども達は、愛着形成が不十分なことも多く、人間の土台となる重要な非認知能力(自分を大切にする力・目標に向かって頑張る力、他の人とうまく関わる力、感情をコントロールする力)が育まれにくいと言われています。その結果、貧困が連鎖してしまうという状況が起きています。
子どもの人生や素晴らしい可能性が災害や生まれた環境によって閉ざされないよう、また、ひとり親家庭が複合的に抱えている課題を解決するための支援スキームを構築し、地域や企業や行政と協働しながら取り組んでいます。
なぜこの課題に取り組むか
STORIAは、困難を抱える子どもたちが自信を取り戻し、自分らしい人生を描き、選択し、歩んでいけることが重要だと考えています。貧困の連鎖を断ち切るということはプロセスであり、断ち切ったその先に子どもたちの幸せがなければ意味がないと思っているからです。日々の活動では体験学習を主軸に置き、子どもたちの個性と強みが生かされる活動を行っています。その結果、子ども達が主体性を持ち、あらゆることをクリエイティブに仲間と共にクリアーしていく姿へと変化しています。まさにこれからの時代に必要な力であり、困難を抱えている多くの子どもたちに、このような環境を用意していきたいと思っています。
また、STORIAは子どものみならず、ご家庭を包括的に支援することもとても重要だと考えています。「子どもの貧困」という社会課題は、個人の責任ではなく、社会構造が生み出している課題だと考えているからです。たとえば、下記の問題がひとり親家庭を逼迫させている一因です。
① OECDの中で日本だけが、所得の再分配後にも子育て世帯の貧困率が高い
② 日本における養育費不払いに対する法的措置の欠如
③ シングルマザーの正規雇用での就職の困難さ(非正規雇用が多い)
これらの課題を直ぐに解決することは難しいですが、STORIAではご家庭への相談支援を行い、目の前の課題を一緒に解決するために伴走しています。
また、私たち一人ひとりがこれらの課題を知り、アクションを起こしていくことが、社会構造を変えていくためにも必要なことだと思っています。
寄付金の使い道
2016年に設立した団体ですが、これまでの支援が功を奏し、子ども達や親御さんに大きな良い変化が起きています。その支援を広げていこうと思った矢先にコロナウィルスがありました。
現在、子どもの活動は一旦休止としていますが、この活動をオンラインにて開催し、子ども達の学びを継続させていきたいと思っています。
しかしながら、困難を抱えるご家庭には、パソコンやタブレット、ネットワーク環境がないため、そこから準備をする必要があります。この度ご支援いただいたご寄附では、オンライン居場所を行うための子供たちへの設備を整えます。
また、現在、リアルでやってきた活動をオンラインで行うためのコンテンツ作りを急ピッチで行っていますが、このノウハウを同じような活動をする団体様へ広く共有していきます。