私たちの取り組む課題



認定NPO農スクールでは、働きたくても仕事がない人や働きづらさを抱える人と、人手不足の農業界をつなぐ活動をしています。
現在、6か月間の就農支援プログラムを実践しています。
毎年、引きこもりの人、不登校の若者、ホームレスの人、障害を抱えた人など、色んな背景を抱えた人が参加しています。
就農支援プログラムは計6カ月です。
導入編(3カ月)では、 農園自社農場で、心身や生活リズムのバランスを整えながら農業スキルを習得してもらいます。
次の基礎編(3カ月)では、実際に地域の農家で働くインターン制度を用意し、10か所の提携農家のリアルな仕事の現場をそれぞれ2時間ずつ職場体験をすることで、自分の適材適所を発見できる仕組みになっています。
2019年から2021年までの3年間でのべ730人以上736人が受講し、その後の就職率は約47%でした。
「農」は「食」の基盤であり、「食」は「命」の基盤です。また、自然との接点がある職業の一つでもあることから、人の価値観、人生観を変える力を持っていると思っています。
「農」が持つ可能性と多様性にかけ、この国が抱える「農業(食料安全保障)」「雇用」「貧困」に関する社会問題の一助となれるよう、人を、暮らしを、社会を変える未来づくりに挑戦していきます。
なぜこの課題に取り組むか



農スクール代表の小島希世子といいます。私は、現在、藤沢市の野菜農家です。
熊本県で生まれ育ち、幼い頃から農家の存在が身近だった私は、「餓死のない世界」を目指して大人になったらアフリカなど食糧難のある国に行き、農業に従事するのが夢でした。ですが、大学進学のため神奈川県に移り住んだ際、ホームレスの人たちの存在を知り、日本でも困っている人がいることに気づきました。
卒業後、農業関連企業を経て2009年に野菜農家として独立しました。働きたいけど仕事がない人と人手不足の農家を結びつければお互いが幸せになれる、そんなシンプルな想いから、3人のホームレスの人と一緒に野菜作りを始めると、次々と奇跡のようなことが起こったのです。
最初は自分への自信を失い、生きる気力や働く意欲がなかった人が、「野菜を育て上げる」という経験を通じて自信を取り戻し、ホームレスの人が農家の正社員になる人が出てくるようになりました。さらに、うつ病や引きこもりで苦しんでいる人や失業して困っているという人からも「農作業に参加したい」と相談を受けるようになり、受け入れるようになると、引きこもり状態の人の中から、農家の正社員だけでなく、農園経営者になる方も出てくるようになったのです。
最初は2008年に個人的に1人で始めた活動でしたが、困難を抱えている人が働く喜びと未来への希望を取り戻し、日本の農業を支える人材が増えていくことを願い、2013年にNPO農スクールを設立し、就農支援プログラムとして実践するようになりました。
長い時間がかかりましたが、卒業生や支えてくださる皆様の応援のおかげで、2025年3月に認定NPO農スクールとなりました。
寄付金の使い道



就農支援プログラムは、「誰もが参加できる」という形で活動しているため、
ホームレス支援、障がい者支援、引きこもり支援、と分かれているような「社会福祉サービス」には適応しずらいプログラムです。
そのため、皆様のご協力が、大きな力となります。
寄付金の用途としては、
・農スクールプログラムの運営費(農地賃料、テキスト代、種代等)
・農家へ就農するためのマッチングに係る費用(打ち合わせ交通費等)
・次世代へのノウハウ移行(人材育成費、採用等)
となり、そして結果として、皆様の寄付は「未来世代の農業(食料安全保障)」につながります。
1人一粒ずつ、未来の種をまくことで、世界は、きっと変わるはずです。
未来への種まき活動へ、ご協力いただけると大変嬉しく思います。