私たちの取り組む課題

「上手岡麓山神社の火祭り」とは
福島県富岡町・上手岡地区にある麓山神社で、毎年8月15日に行われる伝統行事です。
夕方になると、白褌姿の若者たちが大松明に浄火を灯し、「千灯(せんどう)!千灯!」の掛け声とともに山頂を目指して駆け上がります。
松明の大きさは長さ3メートル、重さは数10キロ。暗闇を赤く染め、火の粉が激しく舞い散る松明を担ぐ男衆の勇壮な姿は圧巻です。
この祭りは、福島県の重要無形民俗文化財にも指定されています。
400年の伝統を絶やさない──私たちの思い
震災・原発事故により全町避難を余儀なくされ、祭りは一時中断を余儀なくされました。それでも、「未来へ続く火を灯し続ける」という強い想いと、多くの方々の応援により、2018年に祭りを復活させることができました。
震災・原発事故を契機に町外・県外で暮らす会員も多い状況ではありますが、毎年8月15日の火祭り当日には麓山神社に集い、ひとつひとつ火を灯すようにして今日まで受け継いできました。
なぜこの課題に取り組むか
「上手岡麓山神社の火祭り」の記憶を、次世代につなぐ
震災・原発事故での全町避難以降、「麓山の火祭りを見たことがない」「麓山の火祭り自体を知らない」10代、若い世代も増えてきました。
また、子どもの頃に麓山神社の火祭りに参加した経験から「いつかは自分も担ぎ手に」と願っていた20代も、関わる機会を持てないまま過ごしてきました。
私たちが、かつての火祭りの姿を思い起こしては「受け継がれてきた火を絶やさない」との思いでつないできたように。
煌々と燃える松明の火、祭りをつくる人の姿が、これからの子どもたちの記憶にもしっかりと刻まれていくことを願っています。
支援金の使い道

みなさまのご支援を力に、取り組みたいこと
今回ご支援いただいた資金は、祭り開催の運営費(祭りの装飾品修復、新調等)として活用させていただきます。
祭りを未来へつなぐための確かな基盤は、一朝一夕には築けません。
けれども、麓山の火祭りの風景を絶やさないこと——その積み重ねが、次の世代へと受け継いでいく第一歩になると信じています。
どうか、この想いにご共感いただき、あたたかなご支援をお寄せいただけますと幸いです。
▲2024麓山の火祭り【福島県富岡町】2024年8月15日 「LinkFilms」制作/「公益社団法人福島相双復興推進機構」提供