私たちの取り組む課題
さまざまな分野からご寄贈いただいた食品とフードバンク農園で生産した野菜などを、お困りの方に、無償で提供しています。
私たちの活動は、ご寄付くださる皆様、活動してくださるボランティアとNPOの会員によって支えられています。
①食品のお届け:母子生活支援施設・児童養護施設・更正保護施設へ、週1回ほど、お米やパン、野菜を届けています。また、第三者機関(行政や社協など)を通して、さまざまな事情でお困りの個人や家庭への緊急支援も行っています。フードバンク活動の浸透とともに、緊急支援の依頼数が増えてきました。(2019年度73回→2022年度511回)
②食品の引取り:農園、店舗、メーカーなどからのご寄付をお引き取りさせていただくほか、フードドライブを実施しています。フードドライブは、家庭で余った食品を持ち寄り、フードバンク京都を通じて必要なところに届けるという取り組みです。大手スーパー、京都生協、コンビニなどのご協力で、常時25カ所、定期的に5カ所でフードドライブを行っています。また、三井住友信託銀行、パークハイアット京都、ローム、日本新薬、KTGホールディングス、ジブラルタ生命、ニデック、ホンダ販売労働組合、ライオンズクラブ等の職場や団体、京都環境フェスティバル、山城区民まつりといった各種イベント、また、地域包括支援センター、やすらぎ・ふれあい館、ウイングス京都といった施設でも、フードドライブを実施してご寄付くださっています。
④フードバンク農園で生産活動:農園は、約0.2ヘクタールの広さがあり、専門のスタッフとボランティアによる活動を展開しています。農薬不使用の栽培で、安全・新鮮な野菜を、一年中途切れることなく生産しています。自然農法に近づけたフードバンク農園の野菜は、草や虫と共存しながら成長するので、食べ物は生き物であることを実感できる活動にもなっています。たとえば、春には、新玉ねぎ、夏にはエンドウ、トマト、ピーマン、スイカ、茄子、秋にはカボチャ、里芋、冬には大根、にんじんなど、大変喜ばれています。共同募金でトイレが設置でき、活動しやすい環境が整ってきました。支援されている方と交流する場にも利用したいと考えています。
なぜこの課題に取り組むか
①日本では、毎年大量の食品ロスが発生しています。日本人1人あたり、毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てていることになります。世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた食料支援が、年間440万トンですから、日本の食品ロス(約523万トン)のすごさがわかります。
しかも、日本の食料自給率は、他の先進国に比べてきわめて低く、大半を輸入に頼っているにもかかわらず、一方で食べられる食料を大量に捨てているのですから、「もったいない」こと、この上なしです。これは、食料のムダ使いであり、家計にとっても企業にとっても経済的な損失となります。同時に、廃棄処分にかかわる環境問題でもあります。
こうしたムダを解消するため、さまざまな取り組みがなされていますが、フードバンクの取り組みもその有力な役割を担っています。
②子どもの貧困問題は、日本でも高い関心を集めています。それは、貧困率16.3%(2012年厚生労働省)という高い数字が発表されたからです。2021年でも15.7%とあまり改善されておらず、日本の子どもの7人に1人が貧困状態にあるというのですから驚きです。もちろん、これは相対的貧困ですから、今日食べるものがないといった絶対的貧困とは違います。しかし、国民の所得でちょうど真ん中にくる所得の半分未満を、厳しい生活であることは確かです。
③貧困は子どもだけの問題ではありません。手元にほとんどお金が無い、家に食べ物も無いといった状態になって初めて、行政や地域包括支援センター、ケアマネージメントセンター等に相談に来られる方がおられます。お困りの理由はさまざまですが、認知症が出てきたためにこれまで通り金銭の管理ができなくなった方、怪我や病気で仕事が続けられなくなった方もおられます。また、生活保護を受けておられる方は貯蓄が無いため、些細な緊急の出費ですぐさま生活が困窮するという場合も多いです。相談先で、生活保護、成年後見人制度、生活福祉資金貸付制度などを利用をして生活を立て直していかれるのですが、私たちは、制度の利用が開始されるまでの生活を支える食品、つまり「命をつなぎ、前を向く力」をお渡ししていると自負しています。
寄付金の使い道
①倉庫・事務所の維持管理(家賃、水光熱費など)
②畑の維持管理、野菜の栽培(種、肥料、農機具など)
③配送経費(配送料、ガソリン代など)
④消耗品(事務用品など)
⑤人件費(現在は助成金で専従者を雇用。助成金に頼らず運営したい。)
※寄付頻度を毎月にして頂くと、特定非営利活動法人フードバンク京都の賛助会員となり、ご希望の方には会員カードをお送り致しますのでメールにてお申し出ください。