
事業の目的
教育が問い直される今 広がる「地域みらい留学」
変化が激しく先行きが見えにくい時代に対応した教育の必要性が求められるなか、子どもたちを取り巻く環境も変化し、いじめや不登校、教育格差など、多岐にわたる課題が指摘されています。このような状況下で、新しい学びのかたちの1つとして、偏差値に捉われず、"やりたいこと""自分らしさ"を見つけるため、地方への公立高校へ進学する「地域みらい留学」が広がっています。
「地域みらい留学」の進学先は、農業や漁業、自然、文化、街づくりなど、様々な地域特性を持った、169校の日本各地の魅力的な公立高校。子どもたちは、教育のアップデートに取り組む、地域に開かれた特色のある学校で、それぞれに「生きる力」を育んでいます。
高校無償化の中で、選ばれる地方の公立高校とは?
今後の高校無償化の流れにより地方の公立高校の統廃合がさらに懸念される中、地域みらい留学参画校は地域との連携や独自のカリキュラムなどで魅力化を図っています。
偏差値重視から価値観重視の選択へ
従来の学区制や偏差値にとらわれない自由な高校選択により、「高校進学=偏差値や居住地で選ぶ」という固定観念が大きく変化。自分の関心や将来の目標に基づいて学校を選ぶ生徒たちが増えています。
少人数教育による個別最適化
1学年およそ数十人程度の少人数制により、一人ひとりの個性や学習ペースに合わせたきめ細かな指導を実現。小規模校ならではの教師と生徒の関係性が築かれています。
地域課題への実践的アプローチ
人口減少や高齢化という現実の社会課題に向き合う地域で学ぶことで、生徒たちは自然と主体性や責任感を身につけます。地域活動や産業体験を通じた実践的な学びは、総合型選抜などの大学入試でも高く評価されています。
これまでの事業成果



地方の公立高校に全国から生徒が集まる時代へ
地域みらい留学事業による生徒の受け入れは、開始初年度(2019年度)の211人から2024年度は816人、そして2025年度は約950人へと6年間で約4倍に成長しました。受入れ校数も当初の参画校数34校から2025年度は169校へと5倍以上に拡大し、高校進学の多様化が進んでいます。
様々な地域で広がる意志ある若者の進路
地域みらい留学経験者からは「価値観が広がった」「将来を考える視野が変わった」といった声が多数寄せられ、教育関係者や地域自治体からも高い評価を獲得しています。
総合型選抜の拡大により、地域みらい留学で得られる実践的な学びや地域活動経験は、生徒たちにとって他では得難い貴重な財産となっています。この結果、国公立大学や難関私立大学への合格者も着実に増加し、2024年度は総合型選抜や推薦入試を中心に、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、国際教養大学、山形大学など(一部抜粋)に合格しています。