私たちの取り組む課題



■学校に通っていなくても、豊かな学びと体験の機会を
文部科学省の調査によると、全国の不登校児童生徒数は約35万人にのぼり、過去最多を更新しています(2025年10月発表)。
また、不登校児童生徒のうち、学校内外の専門的な相談・指導等を受けていない子どもは38.3%にのぼります。
こうした状況の中、学校以外で学び、育つ子どもたちが、必要な支援や社会とのつながり、多様な体験の機会を十分に得られていないことが、大きな社会課題となっています。
■子どもたちの可能性を狭める「体験格差」と「社会的孤立」
不登校やホームエデュケーション(家庭を拠点とした教育手法)の子どもたちは、学校以外で同年代の仲間と交流したり、家族以外の多様な人々と関わったりする機会が、地域によって限られています。
仲間と協力して何かをつくり上げること。
初めての場所に出かけ、新しい世界に触れること。
自分の思いを伝え、異なる考え方に出会うこと。
こうした日常のさまざまな経験は、子どもたちが自分自身を知り、他者との関わり方を学び、自信を育んでいくための大切な機会です。
しかし、その機会が限られることで、人との関わりに不安を感じたり、集団での活動に自信を持てなくなったりする場合があります。
また、不登校に対する社会的な偏見や周囲の理解不足から、
「学校に通えない自分はダメなのかもしれない」
「将来ちゃんとした大人になれるのかな」
と強い不安を感じて自分を否定したり、将来を悲観したりする子どももいます。
さらに、学校以外の学びや交流の場には大きな地域差があります。
家庭の経済状況や、保護者による送迎・付き添いの負担などによって、参加できる活動が制限されることも少なくありません。
子ども自身の希望や可能性とは関係なく、住んでいる地域や家庭の状況によって、学びや体験の機会に格差が生まれているのです。
■すべての子どもに、自分らしい未来を切り拓く機会を
学校に通うことだけが、学びや成長の道ではありません。
子どもたちが安心して人とつながり、さまざまなことに挑戦し、成功も失敗も経験しながら、自分の好きなことや得意なこと、可能性を発見していく。
そして、自分で考え、選び、決めながら、自分らしい人生を歩んでいく。
そのためには、学校に通っているかどうかにかかわらず、すべての子どもが多様な人々と交流し、豊かな学びと体験にアクセスできる社会をつくることが必要です。
子どもたちの学びと体験の選択肢を広げ、誰もが自分らしく成長できる社会を実現すること。
それが、わたしたち「共育ステーション地球の家」が取り組んでいる社会課題です。
■子どもを支える保護者にも、安心してつながれる場所を
不登校やホームエデュケーションの子どもたちを支える保護者もまた、さまざまな不安や悩みを抱えています。
「子どもの気持ちをどう受け止めたらよいのだろう」
「学校以外に、どのような学びの選択肢があるのだろう」
「このままで、子どもの将来は大丈夫だろうか」
子どもの成長や将来を思うからこそ、迷い、悩み、答えが見つからずに不安を感じることがあります。
また、不登校やホームエデュケーションに対する周囲の理解が十分ではない中で、身近に相談できる人や、同じような経験を持つ保護者と出会う機会が少なく、悩みを一人で抱え込んでしまうこともあります。
さらに、子どもの生活や学びを支えるために、保護者自身の仕事や社会参加、自由に使える時間が制限されるなど、家庭全体に負担が生じる場合もあります。
子どもたちが安心して自分らしく成長するためには、保護者自身も孤立せず、安心して悩みを共有し、必要な情報や支援につながれる環境が欠かせません。
わたしたち「共育ステーション地球の家」では、不登校やホームエデュケーションの保護者を対象とした「保護者おしゃべり相談会」などを開催し、気軽に話し、相談し、交流できる機会をつくっています。
同じような経験を持つ保護者同士がつながり、互いの思いや経験を共有すること。
多様な学び方や育ち方を知り、それぞれの家庭に合った選択肢を見つけていくこと。
そこには、専門家から一方的に答えを教わるだけでは得られない、共感や気づき、安心感があります。
子どもだけでなく、保護者も孤立しない社会へ。
わたしたちは、子どもと保護者の双方を支え、家族が安心して自分たちらしい学び方・生き方を選択できる社会を目指しています。
なぜこの課題に取り組むか



■子育ては、一人で頑張らなくていい
こんにちは。
一般社団法人 共育ステーション地球の家 代表理事の熊谷亜希子(くまがいあきこ)です。
私は3人の子どもの母親です。
第一子を出産してから20年が経ちましたが、初めて母親になった頃の戸惑いや孤独感は、今でも鮮明に覚えています。
出産前は企業で採用コンサルタントとして働いていましたが、子育てはそれまで経験してきた仕事とはまったく違う世界でした。
第一子はとてもよく泣いて、なかなか寝ない赤ちゃんでした。
毎日の寝かしつけにも試行錯誤を重ね、
「まるで修業の日々だ……」
と思いながら子育てしていました。
子どもは大切で愛おしい存在ですが、それでも、思いどおりにならない日々の中でストレスが積み重なり、耐えきれずに家を飛び出したこともありました。
当時は、そのつらさを自分の親にも打ち明けることができませんでした。
そんな経験から強く感じたのは、「子育てには、安心して悩みを話せる仲間が必要だ」ということです。
2009年、私は地元で「育児相互支援コミュニティ」を立ち上げ、3年間活動しました。
同じように子育てに悩み、迷いながら頑張っている保護者たちと出会い、気持ちや体験を分かち合う中で、少しずつ子育てを楽しめるようになり、心のゆとりが生まれていきました。
仲間がいること。
共感してもらえること。
困ったときに相談できること。
それだけで、子育ての景色は大きく変わります。
この経験が、2013年に「共育ステーション地球の家」を立ち上げる原点となりました。
■「教える・教わる」ではなく、共に学び、共に育つ
私たちの団体名にある「共育」には、4つの思いを込めています。
① 子どもも大人も、共に育ち合う
学びは、学校を卒業したら終わるものではありません。
社会人として、親として、一人の人間として、私たちは生涯を通じて学び続けます。
大人がいつも正しいわけではなく、子どもの何気ない言葉や行動から、大人が大切なことに気づかされる場面もたくさんあります。
だからこそ、私たちは子どもと大人を「教える側」と「教わる側」に固定せず、共に学び、育ち合う仲間として尊重したいと考えています。
大人の役割は、子どもを一方的に支配したり、正解を押しつけたりすることではなく、一人ひとりの可能性を信じ、必要なときに導き、応援し、支えること。
子どもたちの才能の種を育みながら、私たち大人自身も成長し続けたいと思っています。
② 異年齢の子どもたちが、共に育ち合う
社会には、さまざまな年齢や立場の人が暮らしています。
ところが、一般的な学校生活では同年齢の子どもたちと過ごす時間が中心となり、異年齢の仲間と継続的に関わる機会は限られがちです。
共育ステーション地球の家が運営する小さなオルタナティブスクール『まなビーバー』では、異年齢の子どもたちが一緒に遊び、学び、さまざまな体験に取り組んでいます。
年上の子が年下の子を助けることもあれば、年下の子の自由な発想から年上の子が刺激を受けることもあります。
一人ひとりが自分の力を発揮し、互いの違いを認め合いながら成長できる環境を大切にしています。
③ 違いを認め合い、共に生きる
私たちは、障がいの有無や発達特性によって子どもたちを分けるのではなく、多様な子どもたちが共に過ごし、学び合うインクルーシブな環境づくりを大切にしています。
自分とは異なる考え方や行動に戸惑うこともあります。
最初は相手を理解できなかった子どもたちが、長い時間をかけて関わり合う中で、少しずつ互いの違いを受け入れ、自然な形で交流するようになる。
私たちは、そんな姿を何度も目にしてきました。
多様性を理解することは、知識として学ぶだけでは十分ではありません。
日々の関わり合いの中で、一人ひとりの違いを知り、理解し、共に過ごす時間を積み重ねること。
その経験が、誰もが尊重される共生社会の土台になると信じています。
④ 子育てを、一人で抱え込まない
子どもを育てることは、喜びに満ちた営みであると同時に、迷いや不安を伴うものでもあります。
特に、不登校やホームエデュケーションを選択する家庭では、学校以外の学びの場を探したり、子どもの将来を考えたりする中で、保護者が孤独を感じることもあります。
だからこそ、共育ステーション地球の家は、子どもたちの学びの場であると同時に、保護者同士がつながり、悩みや経験を分かち合える「共育コミュニティ」でありたいと考えています。
保護者おしゃべり相談会などの活動を通して、安心して話せる場所をつくり、子どもも保護者も孤立しない環境を育んでいます。
子育てを、たった一人で背負わなくていい。
家族だけでなく、地域の人々や仲間とつながり、喜びも悩みも分かち合いながら、みんなで子どもたちの成長を見守っていきたいと思っています。
■学び方が違っても、誰もが自分らしく育つ社会へ
2013年の団体設立以来、私たちは、学校という枠にとらわれない多様な学びと体験の機会をつくってきました。
その活動の中で感じてきたのは、子どもたちの可能性は、学校に通っているかどうかや、年齢、障がいの有無によって決まるものではないということです。
一人ひとりに、その子らしい興味や関心、得意なこと、成長のペースがあります。
そして、安心できる仲間や環境に出会い、さまざまな体験を重ねることで、子どもたちは少しずつ自信を育み、自分の世界を広げていきます。
私たちが目指しているのは、学校に通っていなくても、子どもたちの学びや体験の機会が制限されない社会です。
また、子育ての責任や不安を保護者だけに背負わせず、地域全体で子どもたちの育ちを支える社会です。
子どもも大人も共に育ち合い、互いの違いを認め合いながら、誰もが自分らしく人生を歩んでいける社会をつくりたい。
その想いを胸に、これからも「学びの多様性」を社会に発信し、一人ひとりの可能性を育む活動を続けていきます。
一般社団法人 共育ステーション地球の家
代表理事 熊谷亜希子
2013年4月 任意団体設立 / 2026年6月 一般社団法人化
支援金の使い道



■すべての子どもに、豊かな学びと体験の機会を
私たちは、不登校やホームエデュケーションの子どもたちを中心に、学校という枠にとらわれない多様な学びと交流の機会を提供しています。
子どもたちが安心できる仲間と出会い、さまざまな体験を通して自分の可能性を発見していくこと。
そして、保護者も孤立することなく、安心して子育てや教育について相談できること。
そんな環境を、家庭の経済状況にかかわらず、より多くの子どもたちと家族に届けたいと考えています。
皆さまからいただいたご寄付は、主に次の活動に大切に活用させていただきます。
① 子どもたちの学びと体験活動の充実
食育、工作、サイエンス、オーガニック畑体験、社会科見学、宿泊体験、オンライン交流など、子どもたちの興味や関心を広げる多彩なプログラムの企画・運営に活用します。
普段の生活では出会えない人や場所、初めての経験に触れることで、子どもたちが「やってみたい!」「できた!」「もっと知りたい!」と感じられる機会を増やします。
② 経済的な事情による体験格差の解消
家庭の経済状況によって、子どもたちの学びや体験の機会が制限されることのないよう、参加費の負担軽減や、体験活動に必要な費用の補助に活用します。
「参加したい」という子どもの気持ちが、経済的な理由だけで諦めることにつながらないように。
一人ひとりの可能性を広げる機会を支えていきます。
③ 子どもたちが安心して過ごせる居場所づくり
学校に通っているかどうか、年齢や障がいの有無、得意・不得意などにかかわらず、一人ひとりが尊重され、安心して過ごせる居場所づくりに活用します。
子どもたちの主体性を大切にしながら、異年齢の仲間との交流や、多様な人々との関わりを支える有償ボランティアスタッフの配置、活動場所の確保、安全管理費などに役立てます。
子どもたちが自分のペースで人とつながり、挑戦し、時には失敗もしながら成長できる環境を育んでいきます。
④ 保護者の相談・交流活動の充実
不登校やホームエデュケーションの保護者が、悩みや不安を一人で抱え込むことなく、安心して話し、相談し、つながれる機会を広げます。
保護者おしゃべり相談会や交流会、情報交換の場などの開催に必要な費用に活用し、同じような経験を持つ保護者同士が支え合えるコミュニティづくりを進めます。
子どもだけでなく、保護者も孤立しない社会へ。
家族全体を支える活動を大切にしていきます。
⑤ 活動を継続・発展させるための運営基盤づくり
子どもたちと保護者が安心して参加できる活動を、地域に根づかせ、長く継続していくための運営基盤の整備にも活用します。
活動を支えるスタッフの人件費、施設利用料、教材・備品の購入、広報・情報発信、運営管理など、安定した活動の継続に必要な費用を支えます。
また、「学びの多様性」やインクルーシブな教育の大切さを社会に発信し、学校以外の学びの選択肢について理解を広げる取り組みにも役立てます。
■皆さまのご支援が、子どもたちの新しい一歩につながります
初めての体験に目を輝かせること。
仲間との交流を通して、自分の気持ちを伝えられるようになること。
自分の好きなことや得意なことを見つけ、少しずつ自信を育んでいくこと。
そして、保護者が「一人ではない」と感じられること。
こうした一つひとつの小さな経験の積み重ねが、子どもたちと家族の未来を支える大きな力になると、私たちは信じています。
すべての子どもが、自分らしく学び、育ち、未来を切り拓いていける社会を目指して。
皆さまの温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

