私たちの取り組む課題
■日本では、約9人に1人の子どもが貧困状態にあります。
厚生労働省が2022年にまとめた報告書によると、日本の子どもの相対的貧困率は11.5%(2022年)でした。これは、日本の子どもの約7人に1人が貧困状態にあることを示しています。
2014年のOECDのまとめでも、日本の子どもの貧困率は、先進国34ヶ国中10番目に高い数字でした。「子どもの貧困」の問題は、もはや海外だけの問題ではありません。
■所得格差が生む教育格差-。
内閣府の「平成30年度子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施状況」によると、大学等進学率の平均は、生活保護世帯では36.0%、全世帯では、72.9%とおよそ2倍の開きがあります。さらに、お茶の水女子大学が2013年に実施した調査では、世帯収入が低い家庭の子どもほど、国語Aと算数Aの平均点が低い傾向にあることがわかります。このように、家庭の経済格差が学力格差を生んでいるのです。
■日本の教育格差は学校外教育で生まれています
親の経済的困難は、子どもから学習の機会やさまざまな体験活動の機会を奪うことにつながります。
教育機会に恵まれなかったことで学力や生きる力が低下してしまった子どもたちは、大きくなったときに所得の低い職業につかざるを得なくなり、更には彼らの下の世代にも貧困が連鎖してしまいます。
私たちは、貧困の連鎖を断ち切るため、経済的に困難な子どもたちに対して、塾や習い事等で利用できる「スタディクーポン」を提供し、教育の機会を保障しています。これまで延べ4,500名以上の子どもたちにスタディクーポンを届けてきました。
なぜこの課題に取り組むか
■子どもへの支援は未来への投資
私たちがこの活動を続ける理由は、経済的困難を抱える子どもたちが可哀想だからではありません。チャンスを得た子どもたちが、必ずこれからの日本を支える仲間に成長すると信じているからです。
この想いは、約10年の活動を通じて確信に変わりました。かつてクーポンを利用していた子どもが、大学入学後、ボランティア等となって、後輩たちを支える頼もしい姿を見てきました。そして、夢や目標に向かって、前に進む子どもたちの姿からは、われわれ大人がパワーをもらっていることが少なくありません。
子どもたちの可能性が、生まれながらの環境や災害によって潰されてしまうことがあってはなりません。だからこそ、社会全体で子どもたちを支える仕組みが必要です。子どもたちへの支援は、この国の未来への投資です。
寄付金の使い道
1. 寄付金の85%以上を子どもへの直接的な支援費(事業費)として使用します
65%以上をスタディクーポン費、残り20%未満を大学生ボランティアと子どもたちの面談費、調査研究費等、子どもたちに個別的な支援を行うための費用に充当します。
2. 寄付金の15%未満を管理費として使用します
管理費とは、管理スタッフの人件費・広告費等、活動を間接的に支えるための費用です。