私たちの取り組む課題
生まれ育った環境が理由で挑戦が阻まれる若者たち
私たちは「ビヨンドトゥモロー」という事業を運営する公益財団法人です。
虐待やネグレクト、親との死別・離別等を経験した若者に、「返済不要の奨学金給付」や「人材育成プログラム」を提供することで、
困難を経験した若者が自由に未来を描き、社会のリーダーとして羽ばたくことができるように支援活動を行っています。
プログラムを通して3000名を超える学生と出会う中で、様々な事情により「挑戦したくてもできない」若者がたくさんいることを知りました。
大学全入時代と呼ばれる現代において、生活保護世帯の大学等進学率は約3割、児童養護施設出身者に至っては約2割にとどまります。
経済的な事情から進学をあきらめざるを得なかったり、退学を余儀なくされたりする高校生・大学生は少なくないのです。
また、成長過程の中で出会うロールモデルの少なさや、自己肯定感の低さが原因で、
自身の未来を自由に描くことができない学生とも数多く出会ってきました。
社会のリーダーとして活躍する素質があるにもかかわらず、自分にできることの天井を低く設定し、その枠の中で将来のキャリアを選ぶ若者たち。
彼らには、経済的な支援のみならず、触れるロールモデルの数や、直接的な体験の数を担保することも必要だと強く感じています。
子どもは生まれ育つ環境を自分で選ぶことができません。
だからこそ、私たちは日本の未来を担う若者を”社会全体で”支える風潮を作っていきたいと考えています。
たくさんの可能性を秘めた若者の未来を潰すことなく、むしろ積極的に伸ばすことで、社会のリーダーとして羽ばたいてほしい。
彼らが自由に夢を描ける未来を創るため、2011年より10年以上活動を続けています。
対象とする若者
1. 親との死別・離別を経験している
親の死亡や離婚などの事情により、ひとり親家庭となる世帯の数は増加しています。
ひとり親家庭の相対的貧困率は48.2%とされ、その多くが社会経済的に困難な状況に置かれています。
ひとり親世帯のほとんどは母子家庭ですが、母子家庭における就業者の内、半分以上が非正規雇用者で、
平均年収は243万円と低く、7世帯に1世帯が生活保護を受給する、など厳しい状況が存在します。
このため、ひとり親家庭における子どもの高卒後の進学率は低く、大学進学率は2割強にとどまります。
2. 児童養護施設・里親家庭に暮らしている
保護者がいない、虐待を受けた、などの理由により社会的養護の下に暮らしている子どもたちは全国に約4万5000人います。
保護理由は虐待が多く、保護された子どもたちの多くは、日本全国にある児童養護施設や里親家庭に暮らしています。
社会的養護の下に暮らす子どもたちの高卒後の進学率は低く、
児童養護施設児の大学・専修学校等進学率は30.9%(全高卒者の大学・専修学校等進学率は73.8%)となっています。
また、多くの子どもたちは18歳で社会的養護が終了となり、児童養護施設を退所したり、里親家庭を離れることとなりますが、
その後、自立して生活する力を身に着けたり、自分が帰るべき場所を見出していくことが求められますが、その道のりは簡単なことではありません。
3. 生活保護受給世帯に暮らしている
生活保護受給世帯の子どもは、高校卒業後には働くことが前提とされ、長い間、大学進学が認められていませんでした。
最近になり、政府による、生活保護受給世帯の子どもが大学に進学するための支援制度が始まりましたが、
生活保護受給世帯の大学進学率は低く、3割程度となっています。
家計を支えるために、高校卒業後に就労を選ぶ子どもが多く、生活保護受給世帯の高卒者の約半数が就職という道を選択しています。
なぜこの課題に取り組むか
私たちが困難を抱える若者を支援するのは「彼らがかわいそうだから」ではありません。
むしろ逆境を経験したことによって育まれる共感力やレジリエンスを持つ人材こそ、
これからの社会には必要不可欠である、との考えのもとで支援を続けています。
現代はVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代と呼ばれ、
急速な変化により将来の予測が立てづらく、これまでの”正解”が通用しない社会を迎えています。
また、情報化やグローバル化が進む中で、多様性の実現や個の尊重がますます重要視されるようになっています。
そんな中でこれからの社会を担う若者に求められるのは、以下のような力だと私たちは考えています。
・自分で考え行動する力
・変化に対応できる力
・他者への共感力
そして、困難を経験した若者こそこうした力を秘める貴重な人材であるとの考えのもと、
彼らが将来活躍してもらうためのきっかけを創ることは社会全体の利益となる、という信念をもって様々なプログラムを提供しています。
設立当初から決して変わることのない私たちの理念をご理解いただき、未来のよりよい社会を作るための一歩として、
若者の未来をともに応援してくださる方を募集しています。ご支援、ご協力のほどお願い申し上げます。
支援金の使い道
このプロジェクトへの支援金は、公益財団法人への寄付として扱い、
困難を経験した若者への奨学金を支給およびプログラム提供を含む総合的な支援のために活用します。
<ご支援の主な使い道>
●学生に給付する返済不要の奨学金
●各種プログラムの開催費(講師料、交通費、宿泊費、会場費等)
●オンラインプログラム参加用に奨学生にWifi、PC貸与