私たちの取り組む課題



◉不登校児童生徒の学び舎づくり
様々な理由で学び方、学ぶ場所を選びたい子どもたちのため、一般的な学校とは別の学び場を提供する。特に、登校することが難しく、多くの時間を自宅で過ごす子どもたちが、自身の力や個性を存分に発揮できる居場所の創造を行う。併せて、保護者が集い、子育てについての悩みや想い、情報を交換することで、保護者もまた共に学びあえる機会を提供する。
これらの活動を通じ、子どもたちが家庭や社会から疎外されることなく、自身の個性を含めたありのままを愛され、認められながら伸び伸びと成長し、やがて社会に出てからも自分らしさを失うことなく、社会の一員として生きていけるようサポートすることを目的とする。
なぜこの課題に取り組むか
子どもたちの将来、日本の将来を明るくしたい!
令和6年度、全国の義務教育段階における不登校児童生徒数は35万3970人となり、過去最多を更新しました。12年連続で増加しており、不登校は一部の子どもだけに起こる特別な問題ではなく、今や社会全体で向き合うべき重要な課題となっています。北九州市内でも2663人が不登校であり、2年前と比較すると717人増加しています。文部科学省も、不登校は「どの児童生徒にも起こり得るもの」と捉え、子どもや保護者の意思を尊重しながら、一人ひとりの状況に応じた支援を行うことが重要であるとしています。しかし現状は、自治体の支援体制は充分に整っておらず、民間団体の活動に頼っている状況が多くあります。
何らかの理由で学校に行けなかったり、行かないことを選択したりした子どもたちは、多くの場合自宅で過ごす時間が長くなり、人や社会と関わる機会が少なくなってしまいます。
小学生・中学生という時期は、知識を身につけるだけでなく、さまざまな人と関わり、実際に体験し、失敗したり挑戦したりする中で、自分自身を知り、社会とのつながりを育んでいく大切な時期です。
しかし、子どもが安心して過ごせる場所の選択肢が「学校」か「家庭」に限られてしまうと、さまざまな体験を積み重ねる機会が十分に得られない場合があります。学校に行っていないことだけで、可能性が閉ざされることがあってはなりません。
「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)」が示すように、すべての子どもに学ぶ環境は保障されるべきであり、フリースクールはその大切な選択肢の一つと考えています。
支援金の使い道
① 保護者の利用料負担を軽減すること
本来、義務教育段階の子どもたちは無償で教育を受けることができます。しかし、不登校などにより学校以外の学びの場や居場所を選択した場合、そのための費用が家庭の負担となります。
そのため、「子どもに合った環境で過ごさせてあげたい」という保護者の願いがあっても、家庭の経済的事情からフリースクールの利用を断念せざるを得ないケースがあります。結果として、居場所や学びの場を見つけることができず、自宅で過ごしている子どもたちも少なくありません。
私たちのフリースクールは、北九州市教育委員会との連携のもと、在籍校の出席として取り扱っていただいています。しかし、現状では自治体からの継続的な運営補助等はなく、主に保護者からの利用料によって運営を維持しています。
② スタッフに適正な給与を支給できる運営基盤をつくること
任意団体として「遊ぶ楽校やた」をスタートしてから4年と数か月の間、日々子どもたちに愛を持って関わっているスタッフの給料は、時給400円~500円という非常に厳しい状況で活動してきました。実質的にボランティアに近い形で、子どもたちの成長を支えているスタッフもいます。
今年度、一般社団法人を立ち上げた現在は、時給833円に昇給しましたが、厳しい状況は変わっていません。
子どもたち一人ひとりに丁寧に寄り添い、安心できる環境を継続して提供するためには、スタッフ自身が安心して働くことのできる環境が必要です。スタッフの生活や働き方が安定することは、結果として子どもたちへのより良い支援の継続にもつながります。
③ 安定した運営体制を整え、子どもたちが継続して安心して通える環境を守ること
遊ぶ楽校やたで一定期間活動し、心をほぐし、体力を回復させ、体験を積み重ねてエネルギーを発散した子どもたちは、心身共に本来の元気を取り戻し、一歩踏み出す力が湧いてきます。そして、タイミングは一人一人異なりますが、地域の公立学校へと戻っていきます。4年半続けてきて分かったことは、ほとんどの子どもが不登校を抜け出すということです。子どもたちは、自分らしさを保ったまま、学校という社会に戻ります。
このように、自分の意思で集団の中へ戻っていく姿を見ることは、私たちにとって大きな喜びであり、一つの成果です。そして、その子どもたちが次の場所へ進んでいくことを、これからも心から応援していきたいと考えています。
一方で、子どもたちが学校へ戻っていくことは、フリースクールの運営面では大きな課題にもつながります。
利用者が固定的に在籍し続ける一般的な施設とは異なり、子どもたちがそれぞれのタイミングで卒業・進級・学校への復帰をしていくため、利用人数は常に変動します。
利用者数が減れば、それに伴って利用料による収入も減少します。しかし、子どもたちが安心して過ごせる場所を維持するためには、スタッフの人件費、施設の維持費、活動に必要な経費など、利用人数にかかわらず一定の運営費が必要となります。
つまり、子どもたちの成長を願い、子どもたちを次の場所へ送り出すことを大切にすればするほど、フリースクール自身の収入は安定しにくいという構造的な課題を抱えています
利用料だけに頼った運営ではなく、助成金や寄付、サポーターからの支援など、地域や社会全体で子どもたちを支える仕組みが必要です。
児童生徒が安心して学ぶことができる、持続可能な運営体制を築いていきたいと考えています。

