私たちの取り組む課題
私たちは、摂食障害を含む「食べるのがこわい」という気持ちを持つ人が、明るい気持ちで食卓に向き合う時間を増やすための支援を提供する団体です。
意外と知られていない摂食障害とは?
摂食障害とは、食べられない拒食、食べ過ぎてしまう過食、そして食べた後の罪悪感から自己誘発嘔吐や下剤の乱用などの排出行動を起こしてしまう等、食事の異常行動が特徴的な心の病気です。
アメリカでは全人口の約9%、日本では16~23歳女性の有病率が約13%程度と言われるほど罹患者の多い疾患ですが、日本において適切な治療にアクセスすることは容易ではありません。
そもそも専門家が少ない、日本の精神科医療がひっ迫している…等様々な背景がありますが、やはり一番の原因は「正しい社会的認知が低いこと」があげられます。
「社会が知らない」ということは、多くの負の連鎖を生み出します。
当事者自身は、症状を抱えていても病気だと気づけない・気づいても周囲に頼れない。家族やパートナーや友人など身近な人も、どうしてあげたら良いのか分からず一人で悩みを抱えてしまう。
結果として、当事者やその周辺者が所属する学校や企業等の民間組織、そして医療や行政等の公的なサービス機関においても、課題が潜在化し、解決するための投資は回らなくなります。
「食べるのがこわい」人に対して、私たちが実施していること
当事者団体として、当事者やその周辺者(ご家族・パートナー)の気持ちに寄り添う支援の提供に加え、医師や心理士・管理栄養士などの専門家と連携した支援ツールの開発を行っています。
①摂食障害の啓蒙活動
- 企業や学校における啓蒙授業・セミナーの実施
- 摂食障害に特化したWebメディアの運営
- 摂食障害の啓蒙冊子の出版
②摂食障害当事者によるオンラインピアサポート(相談事業)の実施
- 元摂食障害当事者の相談担当者(ピアサポーター)養成事業
- SNSを活用したオンライン自助会(ピアサポート会)の実施
- 1:1でのピアサポート面談の提供
③摂食障害に接する周辺者のコミュニティ運営
- 摂食障害患者の家族やパートナーの方を対象にしたオンラインセミナーや自助会、各種コミュニティイベントの実施
なぜこの課題に取り組むか
摂食障害闘病の原体験を、社会課題解決の原動力へ
私たちがこの活動をはじめたきっかけは、代表理事である私自身が、高校2年生から約8年間この病気と付き合ってきた原体験にあります。
拒食や食べ吐きの症状に苦しんでいた当時は、
「こんな最低なことを繰り返して、社会にも適応できていないなんて恥ずかしい。バレたらどうしよう。周囲の人全員に見放されてしまうんじゃないか…」
毎日そんな恐怖に苛まれて、必死に周りに病気のことを隠しながら、1人でネット検索をしては同じ病気を抱えた人の投稿に励まされ、自分の心をつなぎとめていました。
その後8年間の闘病生活の中で、私は「たまたま」多くの方や情報との出会いがあり、少しずつ回復することができました。
私は本当に「ラッキー」だったと思います。
しかし、回復してからもずっと違和感が残りました。
元当事者として、今苦しんでいる人の気持ちが少しは想像できるのに、「たまたま」「ラッキー」そんな言葉で終わらせて、あのつらかった経験を過去のこととして忘れて良いんだろうか?
どこに住んでいても、摂食障害に苦しむ誰かが、必要な支援者や情報と出会える、そんな社会を作りたい。
そんな気持ちから、摂食障害にかかわる活動を開始したのが2019年ころ。そこから今に至るまで、形を変えながら少しずつ活動の枠組みを広げています。
寄付金の使い道
ご協力頂きました寄付金は、活動を継続して行うための運営費として活用したいと考えています。
温かいご支援の程、よろしくお願い申し上げます。