私たちの取り組む課題
1981年以来、がんは日本人の死因第一位で、一生のうちに2人に1人はがんになり、3人に1人はがんで死ぬ時代です。今日の医療の進歩によりがんの5年生存率が68.9%となり、がんは死の病ではなくなりつつあります。しかし、予期せずがんと診断されると誰もが絶望感に襲われ、予後を予測できない無力感や自分だけ取り残されたような孤独感を味わいます。がん患者のうつ病や自殺の発生率はがんに罹っていない人の約2倍に及ぶと言われています。
私たちはがん患者さんとご家族に対して、がんとひとりで向き合わないためにコミュニティで“こころのケア”に取り組んでいます。
なぜこの課題に取り組むか
2042年まで日本では65歳人口の増加は続きます。年齢を重ねるうちに細胞のエラーが多くなったり、その修復能力が下がったりするため、高齢者ほどがんになりやすくなります。実際2018年のがん患者は65歳以上が75.1%になります。また、高齢者の社会的な孤立による死亡リスクは2.2倍、独居孤食の男性高齢者のうつ病リスクは2.7倍です。
日本は生まれながらの地縁の場、地域をコミュニティと考えていますが、米国は自ら選んで参加する場をコミュニティと考えています。日本でも米国のようなコミュニティ概念を浸透させ、「がん」をキーワードにコミュニティで、がんとひとりで向き合わない社会、がんになってもその人らしく生きられる社会をめざしたいと考えています。
寄付金の使い道
がんとひとりで向き合わないために、首都圏・東葛飾地域・関西圏で、がん患者さんとご家族に対して以下のプログラムを提供しています。そのプログラムの運用のために寄付金を活用させていただきます。
- サポートグループ:医療・看護・社会福祉・臨床心理等の専門家を交えて、自分と似たような境遇にある人たちと語り合うことで、自分が決して独りではないことや、自分らしく生きていくことの大切さに気づくための機会と場を提供しています。
- リラクセーションプログラム:心地よい時間を過ごし、充実した精神を保つために自律訓練法、ヨーガ療法、芳香療法、音楽療法といったリラクセーションプログラムを提供しています。
- 医療相談:身近に主治医とは違う医師がいると思って、がん治療や療養生活のことを何でも気軽にご相談いただけます。
- がん市民啓発:今やがんになっても6割が治る時代です。早期発見ができれば、体の負担少なく治療することも難しくありません。市民に向けてがん啓発を展開しています。