私たちの取り組む課題
生物多様性を社会に浸透させるために政策提言や普及啓発、若者の能力養成を実施しています。
なぜこの課題に取り組むか
写真右のみ環境省撮影
●活動を行う背景
私たちが活動を行う背景には、止まらない生物多様性の損失があります。2010年に愛知県で開かれた生物多様性条約COP10において、生物多様性の損失を止めるべく2020年までの目標として愛知目標が設定されました。
その達成期限が迫る中、愛知目標の達成状況は決して十分とは言えません。このままでは、私たちユース(若者)の生きる未来は脅かされるばかりです。現に、日本各地の里山は荒廃が進み、日本における絶滅危惧種は年々増加しています。また、野生生物と人との境界線が明確でなくなってきたために起こる農作物被害等、人との軋轢は大きな問題になっています。海洋資源も枯渇しはじめ、珊瑚の白化現象など海洋生態系の破壊も深刻です。
さらに、世界各国で気候変動による被害が日に日に深刻になってきており、2020年6月には、小泉環境大臣が「気候危機」を宣言しました。生物多様性の損失と気候変動には密な関係性があり、互いに影響を及ぼし合います。しかし、現状では、生物多様性損失に関する課題は気候変動と比較して緊急性や重要性を取り上げられることは少ないです。私たちの生活基盤を支える重要な生物多様性に対してしっかりと配慮し、生物多様性の保全と両立した気候変動対策もますます重要になってくると考えられます。
●現在取り組んでいる活動
現在私たちは、SDGs達成の基盤ともなる自然環境保全分野におけるユースの活動が日本全国各地で自主的かつ継続的に実施できる仕組み作りに力を入れています。ユースの自主的な行動を継続的に実施する仕組みを整えることで、将来の自然保護分野における担い手やリーダーの創出が可能となります。自然保護は一朝一夕では成り立たず、継続して実施することが何よりも重要です。特に2020年に実施した「生物多様性ユースアンバサダー」プロジェクトは、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)と連携し、ユースの活動促進を行うと共に、IUCN-Jメンバーとの世代間対話も進めました。今年度は、これらの活動で得られた知見を活かし、さらなるユースの活動促進、ユースネットワークの強化を実施します。
生物多様性や自然環境の保全に関するユースの意見表明・情報発信力を強化するため、生物多様性条約や次期生物多様性国家戦略への政策提言を行っています。私たちユースの意見を政策決定者に示し、未来世代の声も取り入れた政策策定や実施を行うことで、地球全体としての利益が向上することが見込まれます。ユースは将来の社会を支える柱となる、重要なステークホルダーの1つです。
また、自然環境に関する教育と普及を目的とした効果的なコミュニケーションに関わる活動にも注力し、ユースを中心とした一般市民について情報の発信やセミナーを行うことを通して、生物多様性の主流化を促進させる行動を積極的に実施しています。
さらに、2020年7月にモーリシャス沖で起こったWakashio座礁による重油流出事故で被害を受けたモーリシャスの現地のユース団体と協働し、事故を風化させないための発信プロジェクトを実施しています。
寄付金の使い道
●ユースの派遣旅費
・国際会議(SBSTTA/SBI, CBD-COP, IUCN-WCC等)
・国内会議/イベント(生物多様性の保全や私たちのビジョンに一致するもの)
・フィールドワーク時の活動費(現地視察など)