私たちの取り組む課題
LGBTIQAの性暴力サバイバーたちのために
・相談を受け、権利擁護のための活動をしています
・相談を受けられる人を増やしていくために相談員養成研修を実施しています
・より有用な支援体制をつくるために、LGBTIQAに特化した支援プログラムマニュアルの作成をしています
・使いやすい法整備、そして支援体制のための政策提言をしています
・現状の被害や支援体制についての調査をしています
※写真の説明:2019年渡米しSFでの支援体制についての勉強をしてきました。その際の、性暴力ワンストップ センターでの「ALL Are Welcome Here」。SFのLGBT's welcomeなシェルターのマニュアル翻訳作業中写真。それらを元に作った「LGBTIQA性暴力サバイバーズガイド」の一部。
なぜこの課題に取り組むか
2009年からレイプクライシス・ネットワークという団体の運営に関わり、活動の中ですべてのSOGIESC(性自認、性的指向、性表現、性的特徴)の人の相談を受けるということをしてきました。
その中で、2017年には110年ぶりの刑法改正があり、性犯罪の中で、性別の規定を一部撤廃するということが起こり、その法整備の中で、男性や性的マイノリティに対する不当な取り扱いをしない旨が附帯決議として出されました。
しかし、LGBTIQAの性暴力サバイバーを取り巻く状況はあまり変わってはいません。
被害を訴えようと警察に行っても、「女同士なら、仲直りしたら」「男から被害にあったなんて男として恥ずかしいということもあるだろうし」「そんな格好してたら、性的に思われても仕方ない」そんな言葉で被害届を出せなかったり、
「LGBTの人はLGBTの団体で聞いてもらって」「トランスジェンダーとか、詳しくないので」そんな理由で相談すら断られたり、
声が男性的だというだけで「男性の相談は聞けません」と電話を切られたサバイバーもいました。
ある日、そんな状態の中で、長期間に渡る被害経験を持ち、やっと人に頼ることをしようとした1人のトランスジェンダーのサバイバーが、相談機関で相談をするまでもなく断わられ、そこから時間を経て、私たちの元にやってきました。
その時のことを「絶望ってこういうことをいうのかなって思った」と彼は言いました。
長い時間、孤独の中でなんとか耐え続けていた。ある日、テレビで見た相談窓口に連絡をしてみようと連絡をして、そこで断わられた経験は、彼が次に進む一歩を、大きく遅らせてしまいました。
その言葉を、私たちは忘れません。
助けを求めれば、助けを得られるように。そのために、すべての事業を行なっています。
※写真の説明:こちらも、今年勉強に言ったサンフランシスコの街中の様子。SFのLGBTセンターの掲示板には、性暴力やDVに関しての自助グループ情報や支援情報も。SFにあるLGBT、特にトランス女性のサポートに力を入れる支援団体。SFの街を走るDVサバイバーへのサポートを訴えるポスターを貼ったバス、この団体もLGBT's Welcome。
寄付金の使い道
資料翻訳・・・LGBTIQAの性被害に関する資料は、日本語訳されているものがとても少ない状況にあります。使いやすい資料を作っていくためにも、各国の資料の翻訳作業が必要になります。
交通費・・・BRJの事務局は青森県にあります。東京へのロビイングなどは、別の仕事と合わせて行ったり、それぞれが自費でいくという事が多く、交通費が必要です。
人件費・・・現在、相談を受けるのも、政策提言に行くのも、翻訳作業をするのも、他諸々も、基本的にボランティアで行なっていますが、より注力して活動をするためにも、それぞれに人件費が出せるようにしたいです。
資材作成・・・LGBTIQA性暴力サバイバーズガイドを始め、様々な資材について、増刷をし、更に新しいものも作っていきたいと思っています。着々と情報をアップデートするために、資金が必要です。
調査発表・啓発・・・調査結果や、現状理解のために、学会等での発表や啓発をしていきたいです。ブースを出展したり、国際会議にエントリーしたりするためにも、資金が必要となります。
ファンド費用・・・持続可能な活動のために、継続的な寄付や助成をいただくための取り組みを実施します。